ルーニーのように偉大な選手になる運命だったが…… モイーズ監督が絶賛した逸材レフティーの“現在地” 

ユナイテッド時代のヤヌザイ Photo/Getty Images

未完の天才

その左足は魔法だった。マンチェスター・ユナイテッドでかつて「若きウェイン・ルーニー」とまで称された逸材、アドナン・ヤヌザイのキャリアは、今では多くの人々に“未完の大器”として記憶されている。『TBR Football』が伝えている。

デイビッド・モイーズ元監督がヤヌザイに寄せた期待は並々ならぬものだった。わずか6試合でその才能に魅了されたモイーズは『The Telegraph』でこう語っていた。

「私の監督キャリアの中で、ウェイン・ルーニーと並ぶ最高の若手がヤヌザイだった。ヨーロッパでも屈指の才能で、必ずトッププレイヤーになると思っていた」

「相手をスローダウンさせ一気に抜く。内にも外にも仕掛けられるし、信じられないほどのスキルと温厚な気質、そして程よい傲慢さを持っている」

当時はロビン・ファン・ペルシやルーニーが在籍していたユナイテッドで、チームの未来を担う存在と見られていた。しかしその後、ポジション確立には至らず、2017年に退団することになった。

その後はレアル・ソシエダで復活の兆しを見せたが、トルコのイスタンブール・バシャクシェヒルを経て、現在はセビージャからラス・パルマスへ期限付き移籍している。現在30歳、すでにプロキャリアは10年以上が経過した。

今季はラ・リーガで13試合に出場し2ゴール1アシストを記録しているが、怪我の影響もあり、先発出場はわずか3試合と定位置を確保するまでには至っていない。現在の市場価値は120万ユーロと自身最高額の1500万ユーロからは大きく下落している。

モイーズの当時のルーニーとの比較は、結果的に“見誤り”だったと同紙は指摘する。「ヤヌザイは、潜在能力が発揮されていない典型的な例である」

あの左足に宿った才能が、完全に開花する日はもう来ないのかもしれない。

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