[名良橋晃]J2大好き名良橋が昇格争いで鍵を握る6名のJ2戦士を紹介

攻撃を引っ張る齋藤&イサカ M・ジェズスはもはや規格外

攻撃を引っ張る齋藤&イサカ M・ジェズスはもはや規格外

水戸がJ1初昇格を果たすためには、若くて勢いがある齋藤の活躍が必要だ Photo/Getty Images

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 J1と同じく、J2も上位争いが大混戦となっています。昇格争い、プレイオフ進出をかけた争いともに勝ち点差が小さく、まだまだ動きがあるのは間違いありません。いまは二桁順位のチームにもチャンスがありそうです。そこで今回は、J2上位のなかからシーズン終盤に注目すべき6名の選手を紹介します。

 クラブ史上初のJ1昇格を目指す水戸では高卒2年目の齋藤俊輔が主力となり、28節を終えて6得点しています。スピードがあって狭いところを打開する能力があり、サイドアタッカーとしてイキの良い動きをみせています。エースの渡邉新太などが厳しいマークを受けるなか、攻撃のキーマンになっていますね。

 クラブ全体がこれから昇格に向けたプレッシャーをどんどん感じていくことになるでしょう。そうなると、齋藤俊輔のような若くて勢いのある選手がどれだけチームを引っ張っていけるかがポイントになってきます。U-20代表に選出されたので9月~10月にかけて開催されるU-20W杯に参加することになりました。それも水戸での活躍があってこそです。残り試合でどれだけチームの勝利に貢献できるか注目しています。
 イサカ・ゼインは夏の移籍期間に千葉へ加わり、28節甲府戦では貴重なゴールを奪っています。右サイドアタッカーの田中和樹が負傷離脱したなか、同ポジションで“槍”となってチャンスメイクができるタイプで、ゴールにからむ仕事もできます。

 川崎、横浜FC、山形を渡り歩いたイサカ・ゼインは、桐光学園で小川航基と同級生でした。元チームメイトの活躍に刺激を受けているのは間違いなく、結果がほしいところです。28歳となったイサカ・ゼインは、相当な覚悟を持ってプレイしていると思います。

 なんだかんだで“昇格の本命”と考えられる長崎では、マテウス・ジェズスが規格外のパフォーマンスをみせています。昨季18得点、今季もすでに15得点(28節終了時)で勝利に貢献しています。正直、G大阪時代の印象はあまりないですが、長崎では攻守、とくに攻撃で違いをみせています。あの決定力の高さはいったいなんなのか……。終盤戦でも攻撃を引っ張っていくでしょう。

 ここにきて長崎は7人目の外国籍選手を補強しました。クラブの規模が大きく、可能性を感じます。親会社のジャパネットが資本業務提携とスポンサー契約を結んだシント・トロイデンも好調で上位にいます。長崎、マテウス・ジェズス、さらにはシント・トロイデンを追いかけていると、これからすごく楽しめそうです。

渡、市原は“チームの顔” 熊田に感じる大きな可能性

渡、市原は“チームの顔” 熊田に感じる大きな可能性

大宮の顔である市原は、U-20代表でも主力を務める Photo/Getty Images

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 徳島は28節を終えてJ2最少の15失点で堅守が際立っていますが、攻撃に目を向けるとここまで8得点でチーム得点王のルーカス・バルセロスがケガで離脱してしまいました。これからますます厳しくなる昇格争いを勝ち抜くためには、いろいろな経験が豊富で元気印である渡大生の活躍が不可欠だと感じます。

 守備のオーガナイズができていて、徳島はホントに失点が少ないです。渡大生も高いポジションから献身的にファーストプレスにいけるタイプで、守備での貢献度が高いです。ここにプラスして、今後はゴールにフォーカスしたプレイが期待されます。現在2得点4アシストです。渡大生がこの数字をどれだけ伸ばせるかでチームの成績も変わってくるでしょう。

 市原吏音は大宮のジュニア、U-15、U-18でプレイしてきた生粋のアルディージャっ子で、20歳のいまはチームの顔となっています。タフに戦えるセンターバックで、守備を統率しているリーダーで代えがきかない存在です。攻守両面で空中戦を含めたデュエルに強く、セットプレイでは得点も期待できます。

 大宮はプレイオフ圏内をキープしつつ、自動昇格も狙える良い順位につけています。市原吏音はU-20代表でも主力であり、U-20W杯を戦うために9月下旬からチームを離れることになります。それでも、どのタイミングかはわからないですが水戸や徳島との対戦を残している大事な終盤戦のころには戻っています。市原吏音がどれだけチームを引っ張れるか? 大宮にとって、昇格に向けて欠かせない存在です。

 プレイオフ圏内から少し順位は離れていますが、いわきFCもジワジワと勝ち点を積み上げて上位を追い上げてきています。そのチームのなかで、熊田直紀にとても大きな可能性を感じています。私はFC東京のアカデミーにいるころからみてきましたが、ポテンシャルが高く、利き足の左足で放つシュートは規格外の破壊力があります。

 今季ここまで3得点3アシストです。まだまだ物足りなく、もっとできると思っています。残り試合で二桁得点を目指し、チームをより上位へと導いてほしいです。

 熊田直紀はもともと福島出身で、ポーカーフェイスなところがあります。ゴールパフォーマンスも控えめで、そんなに感情を出さないのが魅力です。個人的に“ドラゴン”久保竜彦さんのような雰囲気を感じていて、一度爆発したらすごく伸びると思っています。スタメンが続いているので、チャンスを生かしてほしいです。

構成/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD309号、9月15日配信の記事より転載

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