ペップの「魔改造」で新たな才能開花 ボックス・トゥ・ボックスMFからSBとして大成したマテウス・ヌネス

SBがすっかり板についたマテウス・ヌネス Photo/Getty Images

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パレス戦でも先制点をアシスト

プレミアリーグ第16節、クリスタル・パレスとマンチェスター・シティの上位対決は0-3とシティの勝利に終わった。パレスは鋭いカウンターから幾度もシティのゴールに迫り、全体的にはペースを握っていると言ってもよかったが、結果的にはチャンスを確実にものにしたシティに軍配が上がった。

先制点をアシストしたのは右サイドバックとして先発したマテウス・ヌネスだ。41分、ラヤン・チェルキが右サイドでDFを引きつけたところでパスを受けたヌネスは、美しい軌道のクロスをゴール前に送り込む。これをアーリング・ハーランドが頭で合わせてネットを揺らした。

ウォルバーハンプトンではボックス・トゥ・ボックス型のMFとして活躍していたヌネス。しかし、シティではサイドバックとして起用されることが多くなった。当初はミスマッチではないかと思えるところもあったが、このところはSBが板につき、リーグ屈指と言っていいパフォーマンスを披露するようになっている。ペップ・グアルディオラ監督はヌネスについて「マテウスは毎回成長している」と試合後に語っている。
「彼は信じられないほどのサイドバックになりつつある。彼はトップクラスの選手で、クロスは素晴らしかった。結局のところ、マテウスはミッドフィールダーだ。ミッドフィールダーであれば、こういう状況に対応できるクオリティを持っている。そして、彼はライン内でうまくペースを調整し、ルベン(・ディアス)をサポートしている。彼には特別なフィジカルの才能がある。だからこそウルブズから彼を獲得したんだ。あの時の我々にはなかった、独特のスピードを持っているんだ」

ヌネスは圧倒的な運動量を持つばかりでなく、フィジカルとボールキープ力に優れ、パスの精度も高い。いずれもSBに求められる資質だ。そこをペップは見抜いていたのだろう。ファビアン・デルフやオレクサンドル・ジンチェンコの例もあるが、ペップは本来MFである選手をSBとして活かすことに長けている。

データサイト『FBREF』によると、ヌネスは出したパスの総距離と中距離パスの本数がディアスに次ぐチーム2位(13,151ヤード/341本)、タックル成功数がニコ・オライリーとニコ・ゴンサレスに次ぐチーム3位(19回)と攻守に好スタッツを記録している。SBとして新たな才能を開花させたヌネスは、今や欠かせないピースとなっている。



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