アーセナルはカードの少なさでもプレミアトップだった 選手の退場に苦しんだ昨季から劇的に減少

アルテタは規律正しい守備組織を構築した Photo/Getty Images

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昨季は10人となった試合が多くあった

現在、プレミアリーグ首位を走るアーセナル。2位マンチェスター・シティと勝ち点6の差をつけているうえに、10試合で失点がわずかに3と、抜群の安定感を見せている。今季こそ悲願のプレミア制覇に届くのではとの意見も聞かれるようになった。

アーセナルは失点だけでなく、カードも少なく抑えることができている。現在イエローカード10枚、レッドカードはまだ受けておらず、これはプレミアリーグでもっとも少ない数字だ。

昨季は10試合を終えた時点で、イエローカード24枚、レッドカードを3枚受けていた。昨季は選手の退場によって10人となった試合が多く、第3節ブライトン戦でデクラン・ライスが、第5節マンチェスター・シティ戦でレアンドロ・トロサールが、第8節ボーンマス戦でウィリアム・サリバが退場となり、勝ち点を落とした。今季は劇的な改善を見せており、不要なカードがないことが成績の安定につながっていると見ることができる。
なぜアーセナルはこのようにカードを減らすことができたのか。おそらくこれは偶然ではない。『The Athletic』は、危険を未然に防ぐ戦術プランによって守られているからだと考察した。ピッチ上のファウル、特にカードにつながるようなファウルはしばしば必死さから生じるが、ボールをコントロールしていればファウルを犯す可能性は低くなると同メディアは指摘している。アーセナルは今季、平均58.42%のボールポゼッションを記録しており、これはリヴァプール(61.71%)、チェルシー(59.12%)に次ぐ高い数値だ。ボールをできるだけ長くコントロールすることで、ファウルが生じる可能性をできるだけ低くすることに成功している。

さらに、アーセナルは「平均シークエンススタート」の数値が自陣ゴールから53.1メートルと、プレミアリーグでもっとも高くなっている。これは『Opta』の定義によると、一方のチームがプレイの連続を終了するポイントのことで、守備のアクション、プレイの中断、シュートによって終了するとされる。アーセナルは、要するにボールを失う位置が全チーム中もっとも自陣ゴールから遠いのだ。

つまり、ボールを失う位置が自陣ゴールから遠いため、ファウルを犯すような危険なチャレンジを行う回数が少ないということになる。

また、アーセナルは前線から激しい守備を見せるものの、実はタックル回数が多くなく、リーグで下から6番目であるという。タックルの回数が少ないということは、接触でファウルを犯す回数が少ないということでもある。サリバは1試合あたり1.42タックル、ガブリエウ・マガリャンイスは1.1タックルであり、CBが危険なシーンにさらされることが少ないこともわかる。

カードが少ないことは、アーセナルが非常に規律正しい守備組織を構築していることの現れでもある。チャンピオンズリーグで無敗・失点0を実現しているのがアーセナルだけであることからもわかるように、現在のアーセナルの守備は欧州一と言ってもよいレベルにある。それはカードの少なさにも結実しており、よりチームを安定させることに繋がっているようだ。

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