今の世代はタイトルを獲る力がある
主要タイトルこそ獲得できなかったが、2000年代のイングランド代表は『黄金世代』と呼ばれた。DFリオ・ファーディナンドやジョン・テリー、アシュリー・コール、MFポール・スコールズ、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、デイビッド・ベッカム、FWマイケル・オーウェン、ウェイン・ルーニーなど、ワールドクラスの選手が揃っていたのだ。
今でも当時の世代は高い人気を誇るが、現在のイングランド代表も当時に負けず劣らずの黄金世代になっているのではないか。今の世代も主要タイトルは獲得できていないが、EURO2020で準優勝の結果を残すなど、当時の黄金世代よりも成績は良い。
英『Daily Mirror』によると、かつてリヴァプールなどで監督も務めたグレアム・スーネス氏も今のチームを黄金世代と評する。
「今のチームは黄金世代だ。イングランドは現時点で本当に良いチームであり、彼らはタイトルを手にする運命にあると思う」
当時のチームも中盤が豪華だったが、今もフィル・フォーデンやデクラン・ライス、レアル・マドリードで輝くジュード・ベリンガム、チャンスメイカーのジェイムズ・マディソンなど、攻守両面でタレントが揃っている。
FWハリー・ケインの得点力はイングランド史上最高クラスであり、2列目にも得点力の高いブカヨ・サカがいる。ベッカムやテクニシャンのジョー・コールなど当時もサイドには優秀なプレイヤーがいたが、サカのように個人で得点まで持って行ける選手は限られていた印象だ。攻撃力に関しては黄金世代を上回っているのではないか。
同メディアはすでにキャリアを終えている当時の黄金世代組との比較は難しいとしながらも、より身体能力の高い選手が揃っている現チームの方がトーナメントを勝ち抜きやすい構成になっているのではと分析する。
不安があるとすればセンターバックくらいだ。単純な守備力で見れば、テリーやファーディナンドを超えるセンターバックはいないだろう。左サイドバックのアシュリー・コールも、イングランド史上屈指のレフトバックだ。
とはいえ、全体的には現チームの方が完成度は高いか。当時はクラブ間のライバル関係が激しく、それがチームワークに悪影響を与えたとの話もあるが、今のチームはそこまでギスギスしたライバル関係もない。レアルのベリンガム、バイエルンへ移籍したケインなど、他国でプレイしている選手がいるのもライバル意識の低下に繋がるのかもしれない。
求められているのはタイトルだが、来年のEURO、あるいは2026年のワールドカップを獲得できるのか。それだけのポテンシャルはあるはずだ。