カンセロやA・アーノルドはビッグマッチでベンチスタートがマスト? メリットよりもデメリットが大きい攻撃的SBの起用

ビッグマッチで弱みとなる試合で攻撃的なジョアン・カンセロを今後も起用するのか photo/Getty images

諸刃の剣のようになってしまっている

プレミアリーグ第11節リヴァプール対マンチェスター・シティの一戦が行われ、1-0でホームのリヴァプールが勝利を挙げた。リヴァプールはこれでリーグ3勝目、シティは10試合目にして初の黒星となった。これで無敗優勝の可能性が消え、首位アーセナルとの勝ち点差は4にまで広がった。

前半はハイレベルなゲームが展開され、動いたのは後半だ。シティがリヴァプールを押し込むと、ボールを得たアリソン・ベッカーが一気に前線にロングフィードを供給。ターゲットのモハメド・サラーはジョアン・カンセロにマークされていたが、上手くかわしてエデルソン・モラレスとの一対一を制し決勝点を挙げた。

この場面でのカンセロの対応がまずかった。サラーにボールが届いた時点で遅らせるべきだったが、カンセロは強きに足を出した。しかしサラーはこのタックルを簡単にかわし、ゴールを挙げている。ここでカンセロがサラーを遅らせていれば近くにいたベルナルド・シウバやケビン・デ・ブライネはカバーに入れたはずだ。

カンセロは攻撃的な選手であり、今季は2ゴール5アシストを記録している。それが強みとなる選手だが、守備時の対応やビルドアップなど安全に行くべきタイミングで選択肢を間違えてしまう傾向にある。これは昨季のリヴァプール戦でも起こっており、軽率なタックルをかわされ失点につながってしまった。

こういった攻撃的な選手の判断ミスはビッグマッチで起きる可能性が高い。カンセロだけでなく、この日先発から外されたリヴァプールのトレント・アレクサンダー・アーノルドもそうだ。3-2でリヴァプールがアーセナルに敗れたゲームではA・アーノルドの守備対応のまずさが指摘されており、批判の的となってしまった。

彼らは共にSB離れした攻撃力を持ち、チームの攻撃を活性化させるが、守備面では弱点となってしまっている。とくにビッグマッチでは相手のレベルも上がり、ミスが目立つのだろう。そうなれば攻撃的なSBを起用する利点はあるのか。例えば昨季リーグとCLを制したレアル・マドリードのSBはどちらかといえば守備的な選手が多い。ダニエル・カルバハル、フェラン・メンディは堅実な2人であり、守備面で弱点になっている試合を見ることは滅多にない。

ビッグマッチでは守備での負担が増え、ミスの発生源となってしまいがちな攻撃的なSBたち。とくにリヴァプールとシティはその傾向にあり、今後のビッグマッチは攻撃的よりも守備的なSBを起用すべきなのかもしれない。

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