もはやヘルタよりウニオンが上 “約2万人”のスタジアムが揺れるウニオン・ベルリンの快進撃

今夏には注目FWシエバチュを補強 photo/Getty Images

原口元気もいざELへ

もうベルリンの力関係は完全に逆転した。

今季のブンデスリーガ開幕戦でいきなり実現したウニオン・ベルリンVSヘルタ・ベルリンのベルリン・ダービー。日本代表MF原口元気の所属するウニオン・ベルリンは2019年にクラブ史上初の1部昇格を決めたクラブだったのだが、何と昨季は5位と大躍進。一方でヘルタ・ベルリンの方は16位と大苦戦することになった。

その流れは今季開幕戦も変わらなかった。ウニオン・ベルリンはホームでヘルタ・ベルリンを3-1で撃破。本拠地のシュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライは収容人数は約2万人と小規模なスタジアムではあるが、今このウニオン・ベルリンの本拠地が熱い。
今夏には昨季のチーム得点王だったナイジェリア代表FWタイウォ・アウォニイがイングランドのノッティンガム・フォレストに引き抜かれ、チーム第2位の得点数を記録していたMFグリシャ・プロメルもフリーで退団。

今季は苦しくなるかと思われたが、ウニオン・ベルリンはセンターフォワードにスイスのヤングボーイズから190cmの大型アメリカ代表FWジョルダン・シエバチュ、サンプドリアからノルウェー代表MFモルテン・トルスビーを補強。シエバチュはヘルタ・ベルリン相手にさっそくゴールを決めたが、昨季ヤングボーイズでは22ゴールを挙げてスイス国内リーグ得点王に輝いているアメリカ期待のセンターフォワードだ。そこに目をつけたウニオン・ベルリンは見事と言える。

そして最大の強みが守備だ。昨季はバイエルン、ライプツィヒに次いでリーグ3番目に少ない44失点に抑えており、得点数が50と少ないながらも5位フィニッシュを果たしている。勝ち点も57点稼いでおり、4位に滑り込んだライプツィヒとは1ポイントしか差がなかった。今季のウニオン・ベルリンは思い切ってトップ4を狙ってもいいかもしれない。

守備陣はセンターバックのティモ・バウムガルトルが負傷離脱しているが、今夏はFCポルトからディエゴ・レイテをレンタルで補強。レイテはヘルタ・ベルリン戦からさっそく3バックの一角に入っており、勝利に貢献している。

米『ESPN』はウニオン・ベルリンの実力が過小評価されていると伝えており、今季はヨーロッパリーグの戦いを含めて楽しみなチームだ。原口もインサイドハーフとして戦力になっており、チームの守備のために走り回っている。

昨季は鎌田大地、長谷部誠の所属するフランクフルトがヨーロッパリーグを制する快進撃を見せたが、今季原口擁するウニオン・ベルリンはそれに続けるだろうか。地味な印象もあるかもしれないが、今のウニオン・ベルリンは注目する価値のあるチームだ。

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