ディバラのローマ移籍は正解、それとも不正解? 古巣ユーヴェは放出を後悔か

今季公式戦で15ゴールを挙げているディバラ photo/Getty Images

ローマで違いを見せつける

昨夏にアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラを、ライバルクラブのASローマへ放出したユヴェントスだが、この決断は「失敗」だったかもしれない。

現在29歳のディバラは、昨季をもって7年間過ごしたユヴェントスでの旅に幕を閉じ、昨夏の移籍市場でローマへ移籍。新天地ではジョゼ・モウリーニョ監督の信頼をすぐさま勝ち取ると、ここまで公式戦31試合に出場して15ゴール7アシストを記録している。今や、ローマに欠かせない選手となっているのだ。

ここ数シーズンは怪我やコンディション不良に悩まされることも多々あり、苦しい時期も多かったディバラ。ローマでは近年あまり見られなかったようなノビノビとしたプレイも見られ、同選手にとって昨夏の決断は、復活への良いキッカケとなり、「正解」だったと言えるかもしれない。
しかし、古巣のユヴェントスから見たらどうだろうか。ディバラから10番を引き継いだポール・ポグバは、ここまで2試合しかピッチに立っておらず、時間にして35分のプレイにとどまっている。そして、2022年1月に加入し、新エースと期待されるドゥシャン・ヴラホビッチもここまでチーム最多となる11ゴールを記録(公式戦)しているが、ディバラの今季の数字には及ばない。また、近年心配されてきたプレイの継続性に関しても、ディバラの今季の負傷欠場数は、ヴラホビッチやアンヘル・ディ・マリアよりも少ない数字となっている。

これらの状況を踏まえた上で、伊『Gazzetta dello Sport』は「ユヴェントスはあまりにも継続性のない10番(ディバラ)を放棄し、ヴラホビッチに投資することを選択。さらに、ディバラへの投資予算をポグバへ転用した」などと昨夏の出来事を振り返りつつ「パウロはユヴェントスの誰よりもゴールを挙げている。彼は得点することだけでなく、アシストすることも得意。得点力不足に苦しんでいるヴラホビッチを助けた可能性がある」や「周りの選手たちも彼の恩恵を受けていただろう」、「ディバラがいる今季のユヴェントスがどのようになっていたか疑問に思うのは当然だ」との見解を示している。

ディバラが今季ここまで残している数字は、ローマへ移籍したからこそのものかもしれない。そのため、タラレバは禁物だ。ただ、この活躍をユヴェントスで見たかったと思っているファンも多いのではないか。

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