フィルミーノが不調でなくても必要だった “新・攻撃ルート”を開拓する男

リヴァプールで好調をキープするジョタ photo/Getty Images

リヴァプールはもともと得点源不足

今後、リヴァプールは前線の構成をどのように組んでいくのがベストか。これは同クラブに関して、現在最もホットな話題と言っていいだろう。今夏ウォルバーハンプトンから加入したポルトガル代表FWディオゴ・ジョタの躍動によって、これまで絶対的だった攻撃ユニットの序列が入れ替わりつつある。

立場を脅かされているのは、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノだ。昨季まで3トップの中央で味方の攻撃を司るリンクマンの役割を完璧にこなしていた同選手だが、今季はなかなか調子が上がってこない状況となっていた。先日行われたリーグ戦第8節のマンチェスター・シティ戦でこそ復調の兆しを見せたが、まだトップフォームとは言い難いか。

そんなこともあり、現地では“リヴァプールはフィルミーノよりもジョタを重用すべき”という風潮が強まっている。先日はクラブOBのジョン・オルドリッジ氏も「フィルミーノのことが大好きだけど、今はジョタを起用した方がいいと思う。今季のフィルミーノは昨季と何かが違う」とコメント。ここまで公式戦10試合の出場で早くも7ゴールを挙げているジョタの活躍を見れば、多くの人がそう思うのも無理はないか。その一方でフィルミーノは今季未だに1ゴールを奪ったのみだ。かねてより得点とは違う部分で良さを出す選手だったが、さすがにここまでの差をつけられるとフィルミーノとしては苦しい。
かつてリヴァプールで活躍したジェイミー・キャラガー氏も、得点力の面でジョタの先発起用を勧めている。中盤にフィニッシャーもこなせる選手が不在のリヴァプールにおいて、センターフォワードに求められるのは一定の得点力だと同氏は主張。普段通りのフィルミーノならそれ以上のものをもたらしてくれるのだが、現時点ではジョタの方がチームにマッチしていると、レジェンドは英『talkSPORT』へ次のように語る。

「現時点でのベストな形はマネ、ジョタ、サラーだね。リヴァプールはそのスカッドにそれほど多くのスコアラーを組み込んでいないんだ。得点のほとんどがマネとサラー。中盤にスティーブン・ジェラードのような存在もいない。ジョタを組み込むことによって、フィニッシュのルートが増えるんだ。フィルミーノの役割は私も十分に理解している。昨季のような形であればチームにプラスをもたらせるだろう。しかし、それほどゴールを奪えない彼が不調とあっては、どうしてもジョタと言わざるを得ないね」

もともとゴールへのルートが限られていたリヴァプールだけに、フィニッシュ能力に優れたジョタは貴重な存在。そう考えると、たしかにジョタを外してまでいまいち調子の上がらないフィルミーノを無理に使う必要はないか。ブラジル代表FWの復活には期待したいところだが、現状ではジョタを継続起用する方がリヴァプールにとっては無難かもしれない。

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