25歳からでも遅くはない ベジェリンが目指せる世界最高級の“守備者”

アーセナルのベジェリン photo/Getty Images

モデルは“フェイマス4”のDF

今季はミケル・アルテタ監督の下、非常に面白い戦いぶりを披露しているアーセナル。ここまではプレミアリーグで11位に甘んじる結果となっているが、強豪相手の対戦が序盤に続いたことを考えればこの結果も仕方ないと言えるだろう。

しかし、その一方で気を緩めすぎるのも良くはない。前節はアストン・ヴィラ相手に0-3で完敗を喫しており、8試合で早くも4敗目。前述の事情があったとはいえ、このまま中堅クラブにも足元を掬われていてはトップ4入りどころか昨季の8位をも下回る可能性がある。アルテタ監督の下でファンを惹きつけるサッカーを展開する彼らだが、結果がついてこなければ何の意味もない。

そんな状況のアーセナルだが、今後彼らのキーマンとなってくる選手は誰か。人によって意見は変わってくるはずだが、おそらくエクトル・ベジェリンはその一人に数えることができるだろう。攻撃性能とリーダーシップに優れた同選手だが、クロス精度や守備力はかねてからの課題。特に守備力を改善できれば、アーセナル全体のディフェンス強度はかなり上がるはずだ。アストン・ヴィラ戦でも対峙した相手MFジャック・グリーリッシュに幾度となく突破を許したベジェリン。改善の兆しを見せる場面こそあるが、まだ足りない印象は強い。
そんなベジェリンの守備力に関しては、クラブOBのトニー・アダムス氏も若干の不安を抱えていると話す。ただ、同氏はかつてアーセナルで活躍した名手リー・ディクソン氏のエピソードを交えながら、ベジェリンもここからリーグ随一の守備力を手に入れることは可能だと英『Sky Sports』へ次のように語った。

「エクトルにもっと頑張ってほしいね。今の彼はDFとして、センターバックを孤立させてしまう場面が目立つ。そういった守備面のディティールに関して、彼はもっと改善に取り組まなければならない。今のエクトルはストークから加入間もなかった頃のリー・ディクソンのようだ。彼も最初は一日中攻撃参加をしているような選手だったね。だけど、監督の指導を受けて彼は変わった。キャリアを終える頃には、世界最高の守備者のひとりになっていたよ。エクトルも彼と同じような道を辿れるはずさ」

堅守を誇った往年のアーセナルを支えたDFライン、“フェイマス4”。その中で抜群の守備センスを見せつけていたディクソン氏だが、アーセナル加入当初はかなり攻撃的な選手だったようだ。同氏がアーセナルに加入したのは25歳を迎えるシーズンだっただけに、現在同年齢のベジェリンもここから世界トップレベルの守備力を手に入れることは可能とアダムス氏も判断したか。

アーセナルの命運を握る右サイドバックの成長。はたして今後、ベジェリンは誰もが納得するような守備力を獲得することができるのだろうか。彼が一定レベルで守れるようになれば、アルテタ監督もかなりゲームプランを練りやすくなるはずだ。

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