「エメリはモイーズだった」 ヴェンゲル退任から2年、アーセナルは改善を見せたか

17-18シーズンをもってアーセナル指揮官を退任したヴェンゲル氏 photo/Getty Images

未だ長いトンネルの中

2018年4月20日、永きにわたりアーセナルの指揮官を務めたアーセン・ヴェンゲル氏がクラブを去ることが発表された。その日から、およそ2年になる。一時代を築いたイングランドの名門は、果たして名伯楽に別れを告げたあと、改善に至っているだろうか。

答えは残念ながらNOである。ポスト・ヴェンゲルのシーズンとなった18-19シーズンは5位に終わり、チャンピオンズリーグの出場権を逃した。ウナイ・エメリからミケル・アルテタへの監督交代を経てなお、今季も9位にとどまっている。新型コロナウイルスの影響により、プレミアリーグは中断したまま再開のメドは立っていない。リーグはこのままシーズンを終了する可能性が高く、今季もまたCL出場権を逃してしまいそうな状況にある。

英『Daily Mail』は、ヴェンゲル氏退任発表から2年の節目でアーセナルの戦績を振り返っているが、特に厳しく非難されているのはウナイ・エメリ前監督だ。エメリは18-19シーズンの序盤に22試合無敗の記録を打ち立てたが、その後は下降の一途を辿った。12月のマンチェスター・シティ戦では5-1の大敗を喫し、シーズン最終盤には格下のチームに連敗。CL出場への最後の希望だったヨーロッパリーグ決勝でも、チェルシーに敗れてしまった。

今季もFWニコラ・ぺぺ、DFダビド・ルイス、キーラン・ティアニーといった新戦力を揃えながら、シーズンの早い段階で迷走を見せた。10月にはキャプテンを務めていたMFグラニト・ジャカとサポーターとの間に亀裂が入り、チームがガタガタと崩れる中で、エメリはついに解任される。

「2年前を顧みたとき、今のアーセナルの方が良い場所にいると正直に言えるだろうか」「エメリの最初のシーズンは伝統的なCマイナス」「彼はアーセナルのデイビッド・モイーズだ」と同紙は手厳しい評価を下している。

現在の監督であるミケル・アルテタは、チームをある程度建て直したように見える。ビルドアップは改善され、2020年になってからは未だ無敗を保持している。しかし勝ち切る試合は少なく、リーグテーブルを駆け上がるには至っていない。ELではオリンピアコスに苦杯を舐めさせられ、優勝によるCL出場権獲得も夢に終わってしまった。

『Daily Mail』は、「前進を取り戻すことが、期待したほど簡単でないことは明らか」と記事を結んでいる。マンチェスター・ユナイテッドの低迷がポスト・ファーガソンの時代に始まったことを例に出すまでもなく、ヴェンゲル氏ほどの人物の後を継ぐことは、やはり容易ではなかった。アーセナルは残念ながら、未だ長いトンネルの中にいると言わざるを得ない。あれほどうんざりしていた“4位”が、今は眩しく見える。多くのファンは思っているだろう。「ヴェンゲルなら、4位を獲ってくれただろうに」と。退任発表から2年経ったいま、改めてこのサッカー界の巨人へのリスペクトは増すばかりだ。


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