今夏早々にMFサンドロ・トナーリをニューカッスルに引き抜かれたミランだが、そこからの動きはなかなか積極的だ。
トナーリ流出は痛手だが、ニューカッスルには6400万ユーロの移籍金で売却している。その売却益を活かし、ミランはすでに数枚の即戦力をチームに迎えている。
中盤ではオランダのAZより24歳のオランダ人MFタイアニ・ラインデルスを1900万ユーロ、チェルシーからルーベン・ロフタス・チークを1600万ユーロ、前線ではチェルシーからFWクリスティアン・プリシッチを2000万ユーロ、ザルツブルクからFWノア・オカフォー獲得を1400万ユーロでまとめている。さらにフリーでラツィオからアルゼンチン期待の18歳MFルカ・ロメロも獲得している。
ラインデルス、ロフタス・チーク、プリシッチ、オカフォーの獲得に費やした移籍金は、計6900万ユーロ。トナーリの売却益とほぼ同じ額となっており、悪い動きではないだろう。
トナーリの抜けた中盤にはラインデルスとロフタス・チークが加わり、大型MFロフタス・チークにはトナーリに負けず劣らずの縦への推進力を期待できる。怪我さえなければトップレベルの選手だ。
センターフォワードもベテランのオリヴィエ・ジルーに頼りがちだったが、スイス代表期待のオカフォー獲得は効果的な補強と言える。若手育成に定評あるザルツブルクで人気のあった選手で、ポテンシャルはある。
チェルシーで思うように出番を得られなかったプリシッチもアメリカ代表の絶対的エースであり、ラファエル・レオンらとどう絡むか注目される。
さらにビジャレアル所属のナイジェリア代表FWサミュエル・チュクウェゼの獲得にも近づいており、チュクウェゼは右サイドから仕掛けることを得意とする『ナイジェリアのロッベン』とまで呼ばれる選手だ。レオン、プリシッチ、チュクウェゼと個で仕掛けられるタレントが2列目に揃えば心強い。
新シーズンは再びスクデットを奪い返しにいくシーズンとなるが、新戦力はヒットするだろうか。昨夏はFWチャールズ・デ・ケテラエルやディボック・オリギら新戦力が思うようにヒットしなかっただけに、今夏の補強こそは確実に当てたいところだ。