VARがW杯を変える アルゼンチンは“3度”のゴール取り消し、サウジは3本のシュートで2ゴールの大波乱

ラウタロのゴールもオフサイドで取り消された photo/Getty Images

ラウタロのゴールは人間の目でオフサイドと判定するのは不可能だったか

ワールドカップ・カタール大会で開幕からゲームに大きな影響を与えているのがVARだ。

ペナルティエリアでの競り合いやハンドの有無はもちろん、今大会は半自動オフサイド技術の採用で細部までオフサイドの有無がチェックされている。スタジアムの屋根下に設置された専用トラッキングカメラは人間の目では判別できないような細かいところまで追いかけており、テクノロジーの力でサッカーは大きく変わり始めている。

22日に行われたグループC初戦のアルゼンチン代表VSサウジアラビア代表の一戦でもVARは大活躍だ。
アルゼンチンは前半10分にリオネル・メッシのPKで先制。その後もメッシ、ラウタロ・マルティネスが相手最終ライン裏のスペースへ飛び出してシュートを決めていったが、これがすべてオフサイドと判定された。

サウジアラビアが最終ラインを高く設定していたこともあるが、アルゼンチンはメッシのゴールが1本、ラウタロのゴールが2本VRA判定で取り消されることになった。そのうちラウタロの1本はかなり分かりにくいオフサイドで、おそらく線審の目だけでは判定できなかっただろう。VARがなければ2-0とアルゼンチンがリードしていたはずで、そうなればサウジアラビアの大逆転も起こらなかった可能性が高い。

英『90min』は「アルゼンチンは3点もゴールが取り消されたのに対し、サウジアラビアは3本のシュートで2点」と注目しており、VARが試合の結果を大きく左右することになった。

サウジアラビアの粘りも見事だったが、VARに助けられたところがあったのは事実だ。そうした意味では、劇的なドラマを生むことになったVARもサッカーを変えた技術の1つと言える。今では主審が試合中にリプレイ映像を確認に行かないゲームの方が少なくなっており、主審が耳に手を当ててVOR(ビデオ・オペレーション・ルーム)とコンタクトを取るたびに独特な緊張感がスタジアムを包み込んでいる。

今後もVARが流れを変える瞬間があるはずで、そこも現代サッカーの見どころの1つだ。

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