仙台戦でのドリブル成功率は驚異の“100%” レイソルの攻撃を司る王国産のテクニシャン

柏の攻撃陣を牽引するM・サヴィオ photo/Getty Images

成功数7回もチームトップ

一時は残留争いから一歩抜け出したようにも思えたが、第29節のサンフレッチェ広島戦と前節ガンバ大阪戦で2連敗を喫し、再びJ1で難しい戦いを強いられることとなっている柏レイソル。少し嫌なムードが流れるなか、同クラブは2日に行われたリーグ戦第31節で降格圏に沈むベガルタ仙台と対戦した。

本来であれば、この試合で3ポイントを獲得しておきたかったところ。だが、柏はこの試合でも勝利を手にすることはできなかった。前節と同様に序盤から積極的に相手ゴールへと迫ってはいたのだが、同クラブは開始早々の10分に一瞬の隙を突かれて先制点を献上。最終的にはFW神谷優太のゴールで追いついたものの、結果は1-1のドローに終わっている。ここでもう一度エンジンを掛けるためにも、柏にとってこの仙台戦は重要だった。だが、事はなかなか思うように運ばない。

しかし、その一方では輝きを放った選手がいたことも忘れてはいけない。この試合、中盤で攻撃にも守備にも奔走したMFマテウス・サヴィオのパフォーマンスは称賛されるべきだろう。ドロー決着とはいえ、多くの時間でゲームの主導権を握ったレイソルにおいて、このブラジル人アタッカーはチームの核と言える存在感を放ったのだ。
前半は中盤のやや下がり目の位置からゲームを作る役割を担い、後半はひとつポジションを上げて本来のアタッカーとしての色をより濃く出したM・サヴィオ。どちらのタスクをこなしていた時間帯も、彼はレイソルの攻撃に違いをもたらす存在として機能していたと言っていい。なかでも、特に印象的だったのは後半のパフォーマンスで、同選手はよりゴールに近い位置でプレイできるようになると、持ち前のテクニックを駆使した鮮やかな突破を何度も披露。62分には、巧みなボールタッチで相手DFを華麗にかわすシーンも見受けられ、個のクオリティの高さを存分に発揮した。

データサイト『SofaScore』によると、そんなM・サヴィオがこの仙台戦で記録したドリブル成功率は驚異の100%。それでいて、成功数もチームダントツの7回を記録していたというのだから驚きだ。そのほか、ロングパス成功率(83.3%/6本中5本成功)などでも印象的な数字を残したM・サヴィオ。近頃はなかなかアタッキングサードで攻めきれない柏だが、この男のリズムに合わせられる選手がひとり出てくれば状況は打開しやすくなるかもしれない。

レイソル攻撃陣のリズムを変える王国産のテクニシャン。今後もM・サヴィオがテクニカルなドリブルは相手チームにとって非常に厄介な存在となることだろう。ペドロ・ハウルの移籍や瀬川祐輔の負傷に揺れる昨今の柏だが、FW神谷優太ともにM・サヴィオはチームの攻撃を司る存在としてこれからも大いに機能してくれるはずだ。

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