ウクライナが見せた最適解 ジンチェンコの左ウイングバック起用は大当たりだ

成長を続けるジンチェンコ photo/Getty Images

イングランドとの試合も面白くなりそうだ

EURO2020決勝トーナメントベスト16、最後の試合となったウクライナ対スウェーデンの一戦は2-1でウクライナが白星を挙げた。決勝点となったFWアルテム・ドフビクのゴールは延長後半のロスタイムに決まっており、劇的な勝利となった。また、ウクライナはEURO初の決勝トーナメントとなっており、さらにそこからベスト8進出と国内では大盛り上がりである。

そんな記念すべき試合で1ゴール1アシストを記録し、勝利に貢献したのがMFオレクサンドル・ジンチェンコだ。

今回の欧州選手権では所属クラブであるマンチェスター・シティで務めている左サイドバックではなく、本職である中盤でピッチに立っていたジンチェンコ。同じく中盤を務めるルスラン・マリノフスキーとのコンビは素晴らしく、ウクライナの武器となっていた。しかし、マンCでの躍動と比べると、中盤での起用は少しインパクトに欠けているように見え、勿体なさを感じる場面も少なくなかった。

すると、指揮官であるアンドリュー・シェフチェンコは従来の[4-3-3]ではなく、[3-5-2]を採用する。これでジンチェンコは左ウイングバックでの起用となり、普段と近いポジションでピッチに立った。ジンチェンコが抜けた中盤にはMFミコラ・シャパレンコが入ることに。

この采配が大当たりとなる。サイドにジンチェンコが回ったことにより、左サイドで高い位置を取れるようになり、そこからのクロスや連携での突破と攻撃が活性化されていた。また、中盤に入ったシャパレンコはジンチェンコよりも前への推進力が高く、ジンチェンコが持っていなかった個での突破を見せるようになる。

延長後半ロスタイムの決勝点の場面でも、以前であれば中央のポジションを取っていたジンチェンコがサイドに回ったことでピンポイントクロスから得点が生まれている。やはり、クラブと同じような役割を与えられたほうが選手としてもやりやすいのか。

次節はドイツを倒したイングランドとの対戦が決まっている。ウクライナの活躍に注目したい。

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