マンC相手に支配率58%だった“超攻撃型マリノス” 絶賛されるポステコグルーの手腕

マリノスでJ1を制したポステコグルー photo/Getty Images

アジア屈指の指揮官としてセルティックへ

現在のJ1では圧倒的な強さを見せる川崎フロンターレが話題を独占しているところがあるが、2019年のJ1を制した横浜F・マリノスも超攻撃的なサッカーで日本のサッカーファンを楽しませてくれる素晴らしいチームだった。

その集団を作り上げたのは、オーストラリア人監督アンジェ・ポステコグルーだ。

ポステコグルーは横浜F・マリノスにてFW仲川輝人や遠藤渓太、MF三好康児、DF畠中槙之輔といった日本人選手たちの個性を伸ばすと同時に、FWマルコス・ジュニオールやエジガル・ジュニオら外国人選手の力を組み合わせた超攻撃集団を完成させ、2019年のJ1で68得点を挙げて優勝を果たした。
2020年シーズンは川崎が88得点と圧倒的な攻撃力でリーグを制したが、マリノスも川崎に次いで多い69得点を記録。失点が増加したこともあって最終順位は9位だったが、ポステコグルーの攻撃的スタイルは常にサポーターを楽しませてきた。

その成果が認められ、ポステコグルーは新シーズンよりスコットランドの名門セルティックを指揮することが決まった。オーストラリアのサウス・メルボルン、ブリスベン・ロアーでタイトルを獲得し、オーストラリア代表監督としては2015年のアジアカップを制覇。そしてマリノスでもJ1を制覇。英『90min』は、「アジアで最も成功した指揮官の1人」とポステコグルーのセルティック挑戦を歓迎している。

スコットランドの国内リーグといえば、今季スティーブン・ジェラード率いるレンジャーズが無敗優勝を達成したことが話題を呼んだ。セルティックは打倒レンジャーズへ動くことになるが、おそらくポステコグルーはセルティックでも攻撃的なサッカーを目指すだろう。マリノスでも当初は苦戦したが、スタイルが浸透した2年目は強かった。セルティックがポステコグルーに時間を与えるならば、セルティックを再びの王座へ導くことも出来るはず。

中でも同メディアはポステコグルーの象徴的な一戦として、2019年夏に行われたマンチェスター・シティVS横浜F・マリノスの親善試合を挙げている。スコアは3-1でマンCの勝利だったが、マリノスはこのゲームで58%ものポゼッション率を記録。親善試合とはいえ、マンC相手にも攻撃的なスタイルを貫くところにポステコグルーの強いこだわりを感じる。

サイドバックを中へ絞らせるなど独特なアイディアもあり、ポステコグルーは日本のサッカーファンからも高い評価を獲得した。そのスタイルをセルティックにも植え付けられるだろうか。今季は優勝したレンジャーズが92得点奪ったのに対し、セルティックは78得点だった。この差を逆転させ、セルティックを超攻撃軍団へ変えていくポステコグルーの挑戦が始まる。

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