ジョーカーは流れを変えられる存在だ
チャンピオンズリーグ準々決勝でドルトムントとの一戦を無事、勝利で終えたマンチェスター・シティ。念願となるベスト4に駒を進めた。
1stレグ、2ndレグとその前の試合では大幅なターンオーバーを敷いて主力を休ませたことが一つの要因に繋がったと考えられる。その際に出てくる選手がスペイン代表やイングランド代表といったトップクラスのプレイヤーということもあり、選手層の厚さが際立っていたと言える。
しかし、FA杯チェルシー戦でのパフォーマンスを見ると、本当に選手層が厚いチームなのかという疑問が湧く。この日、先発となったケビン・デ・ブライネ、ルベン・ディアス、ロドリ・エルナンデスを除く8名はドルトムント戦ではベンチに座っていた選手、いわばリザーブ組だ。
前半はその攻撃の核となるデ・ブライネを抑えられてしまい、左ウイングで先発となったラヒーム・スターリングが受け手として代わりに降りてきていたが、違いを作り出すことは出来なかった。
チェルシーの守備が非常に素晴らしかったこともあるが、右のフェラン・トーレスや9番での先発となったガブリエウ・ジェズスといった選手は、敵陣深い位置で好機を演出できず、後方からのロングボールがメインの攻撃となっていた。高さのある選手が前線にいるチームではないので、この戦い方は苦しいだろう。
ここで気になるのはリザーブ組のパフォーマンスだ。スターリングやトーレス、ジェズスら攻撃で強みを生かせる選手のコンディションが上がっていないとは言わないが、先発組を脅かす存在がいない。少し前まではフォデンが交代から良い流れを生み出していたが、今はスターリングとの序列が入れ替わっており、そのスターリングもドルトムント戦で後半からの出場となったが、インパクトは残せなかった。人材は豊富なだけに、交代から流れを変えられる存在が欲しいところだ。
今後はトッテナムとのカラバオ杯決勝やパリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグといった大一番での一戦が控えているだけに、控え組であるスターリング、トーレスの復調は必須と言える。交代選手は試合の流れを変えることが多く、一発勝負で途中投入から流れを変えるジョーカーのような選手は必須となってくるだろう。