得点ランク9位でも“リーガ最高級”の仕事人? 中堅クラブの33歳が魅せている

レバンテで活躍するモラレス photo/Getty Images

見逃せないベテランFWの活躍

2020-21シーズン、リーガ・エスパニョーラで最も周囲にインパクトを与えているストライカーといえば誰になるか。ここまで23ゴールで得点ランキングトップをひた走るバルセロナのリオネル・メッシ、首位アトレティコ・マドリードの貴重な得点源となっているルイス・スアレス……。おそらく、多くの人が挙げるのはこのあたりの選手だろう。

しかし、そんな世界的スターの陰に隠れながらも、中堅クラブにおいて予想外のペースで得点を重ねている選手がいる。その選手とは、9位レバンテに所属するFWホセ・ルイス・モラレス(33)だ。

今季はここまで、リーグ9位タイの11得点を挙げているモラレス。左ウイングとセンターフォワードを主戦場とする選手で、サイドから独特なリズムで繰り出されるドリブル突破や中央で光る巧みなフィニッシュワークは、レバンテ攻撃陣において異彩を放っていると言っていい。33歳を迎えて少しフィジカルコンディションの部分に不安を抱えつつあるものの、細かな技術に関しては今でも向上し続けている印象だ。
とはいえ、メッシやスアレスに比べれば、モラレスがそこまで目立つ存在でないのは事実。しかし、データアナリティクスの観点からすると彼の活躍は見逃せないのだ。実はデータサイト『understat.com』によると、今季ここまでのモラレスに対するゴール期待値は「6.16」しかない。つまり普通にプレイしていれば、同選手のここまでの得点数は6ゴール程度が妥当だったということ。そんななかで、今季はモラレスはその数値より「4.84」も多い得点数を叩き出しているのだ。

なお、このモラレスの数字は今季リーガで10得点以上を挙げている選手のなかで最大。2番目に大きかったスアレスでも、ゴール期待値と実際の得点数の差は「3.89」だ。上位クラブと比べてレバンテのチャンスは多くないものの、それでもモラレスは得点ランキングTOP10に名を連ねている。これは称賛されて然るべきものだろう。

中堅クラブに所属していることもあって、スポットライトが当たる機会は少ないかもしれない。しかし、リーガではモラレスのような優秀なストライカーがプレイしているということも、決して忘れてはいけない。

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