暴言・暴力のネイマールは完全に悪役 “王様”はバロンドールを獲れるのか

PSGのネイマール photo/Getty Images

目立つのは悪い面ばかり

リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドからバロンドールを奪える存在と評価されてきたパリ・サンジェルマンFWネイマールも気付けば27歳となり、本来であればサッカー選手として最も良い時期を迎えている頃合いだ。今でも話題性抜群のスーパースターなのは間違いないが、ここ最近は悪い話題ばかりが目につく。

27日に行われたクープ・ドゥ・フランス決勝のレンヌ戦では先発復帰を果たして得点も決めたが、敗れた試合後には観客と口論になって軽いパンチを見舞ったことが問題視された。敗北による苛立ちもあったのだろうが、暴力行為は許されるものではない。

また26日にはUEFAから3試合の出場停止処分を言い渡されている。これは3月6日に行われたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグのマンチェスター・ユナイテッド戦で、終盤にマンUヘPKを与えた審判団へSNSで暴言を吐いたことが理由となっている。来季のチャンピオンズリーグ・グループステージ3試合は出場停止となり、ネイマールは自身の感情を抑えることができていない。以前は若気の至りとも言えたが、27歳ともなればもう少し落ち着きがほしい。

ピッチ上でのパフォーマンスも思い描いていた通りには進んでいない。常にリオネル・メッシが主役となるバルセロナ以外のクラブでチャンピオンズリーグを制することがバロンドールへの道と考えられていたが、パリ・サンジェルマンでもその目標は叶っていない。しかも20歳のフランス代表FWキリアン・ムバッペが急激に成長し、今やパリ・サンジェルマンのエースはムバッペとなりつつある。仮にパリ・サンジェルマンがチャンピオンズリーグを制した場合、バロンドールに近いのはムバッペの方だろう。

大切な時に怪我をしてしまうパターンも相変わらずで、ネイマールは今季も右第5中足骨を骨折するアクシデントに見舞われてチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦のマンチェスター・ユナイテッド戦を回避した。結局パリ・サンジェルマンはまさかの大逆転負けを喫してベスト16で姿を消すことになったわけだが、これは昨季と同じシナリオだ。昨季もネイマールは似たような時期に同じ右第5中足骨を骨折し、ベスト16のレアル・マドリード戦2ndレグを欠場している。2シーズン連続のベスト16敗退は許される成績ではなく、クラブもネイマールの働きに100%満足しているわけではないだろう。

母国開催だった2014ブラジルワールドカップでもネイマールは準々決勝のコロンビア代表戦で負傷し、その後の試合を欠場。チームはベスト4敗退となり、消化不良の夏となってしまった。怪我は仕方がないものだが、ネイマールの場合はボールを持ちすぎて相手から削られてしまうことも少なくない。派手な足技は時に相手選手を苛立たせ、それが激しいチャージに繋がってしまう。昨年のロシアワールドカップでは大袈裟に倒れる姿ばかりが話題となったが、あのようなアピールやダイブも相手選手にとってはフラストレーションとなる。試合中にネイマールと相手選手が口論になることも珍しくなく、ネイマールのやり方はスマートとは言えないものだ。

ネイマールのキャリア最終目標がバロンドール獲得にあるとするならば、残された時間はあまり多くない。メッシ、ロナウドだけでなく、ムバッペのような新星まで現れてしまったのだ。ネイマールも何かを変える必要があり、トラブルメイカーとなってしまった自分自身を見つめ直す時にきているのではないか。

ブラジル代表は6月に日本代表も招待されているコパ・アメリカ2019を戦うことになっている。今回はブラジルでの開催となるため、ブラジル代表には優勝以外許されていない。そこでも代表監督チッチはネイマールを中心にチームを組み立てるだろう。この王様扱いもネイマールが変わることのできない理由の1つだ。例えば昨年ユヴェントスに所属するブラジル代表FWドウグラス・コスタが相手選手に唾を吐いた際、チッチはその後の代表メンバーからコスタを外した。実力より規律を重視したわけだが、今回ネイマールが起こした暴言・暴力騒動についてはどう対応するのか。

優勝が義務付けられたコパ・アメリカにおいてネイマールを外す案は存在せず、恐らくは6月もネイマールは王様としてセレソンの中心にいるだろう。パリ・サンジェルマンではムバッペがエースとなりつつあるが、ブラジルに戻ればスーパースターだ。いかなる騒動があろうとも王様は外されない。ネイマールにはすっかりダーティーなイメージが定着してしまったように思えるが、バロンドールを獲得する日はくるのだろうか。

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