アーセナルは、今季もっとも積極的に移籍市場で動いたクラブの1つだ。MFマルティン・スビメンディ、FWノニ・マドゥエケ、そして待望の9番としてヴィクトル・ギェケレシュも加わり、現在までに6名の新加入選手が名を連ねている。
アジアでのプレシーズンツアーを行ったアーセナル。しかしファンはここで加入選手とは別の“新戦力”を見出しているはずだ。アカデミー育ちの15歳、MFマックス・ダウマンだ。
ダウマンはミラン戦、ニューカッスル戦、トッテナム戦の3試合に途中出場したが、非常に印象的なパフォーマンスを見せている。特に輝いたのはニューカッスル戦だ。出場早々にMFジョエリントンをかわしてフリーキックを獲得。71分にドリブルでぐんぐん持ち上がってきわどいシュートを放つ。82分には再びジョエリントンをぶっちぎってファウルを誘発し、決勝点につながるPKを獲得した。
英『sky sports』はダウマンをピックアップし、「今シーズンは間違いなく公式戦デビューを控えている」「もう疑いの余地はない。マックス・ダウマンが次の候補だ」と激賞。ダウマンをアカデミーで指導した元コーチのテミサン・ウィリアムズ氏にインタビューを行っている。
「この若者には何か特別なものがある、と最初から思っていました」とウィリアムズ氏は語る。
「マックスは、同年代の選手の中でもっとも背の高い選手の一人だった。つまり、より高いレベルでプレイしても、体力的に対応できたということです。彼は体の使い方もとても賢く、ドリブルの時には手を使ってボールを守ります」
ウィリアムズ氏はダウマンの15歳にしては出来上がった大きな体格に触れつつ、ダウマンが「チャンピオン精神」の持ち主であると強調している。さらに、最適なポジションは「8番」であろうと見解を語った。
「彼はピッチで勝ちたいだけではなく『次の挑戦がしたい。次の挑戦はいつ来るんだ?』と考えていました。マックスはどんな時でも、常に挑戦を求めていたんです」
「(イーサン・ヌワネリとの違いを問われて)イーサンは試合の大半を攻撃陣地でプレイしていた。彼(ダウマン)は、10番や9番としてもプレイしてきましたが、時には6番としてプレイし、より深い位置でボールを受けにいきました。センターバックがボールを持っているときは、マックスがボールを受け、そこから前進していきました。センターバックを務めることもありました。成長期にさまざまなポジションの視点を幅広く持つことは重要です」
「もし明確に(ベストポジションを)答えなければならないとしたら、おそらく8番でしょう。彼の強みはボールキャリースキル、特にセンターでの能力です。マックスの真価が発揮されるのは8番のポジションだと思います」
若さを考えれば慎重な起用が必要だが、今季4つのコンペティションを戦うアーセナルにとって、切り札となりそうな雰囲気を漂わせるダウマン。彼はもはや“7人目の補強選手”と言ってもよく、トップチームでどれだけやれるのかと期待が高まっている。