今冬より超積極補強に動いていたバルセロナは、前線にフェラン・トーレス、ロベルト・レヴァンドフスキ、ハフィーニャら豪華な戦力を抱えている。一気にタレントが揃った印象があるが、その一方でクラブを去った者もいる。
今夏にバルセロナを離れたFWアダマ・トラオレのことを忘れてはいないだろうか。トラオレも今冬にバルセロナが獲得したアタッカーで、ウォルバーハンプトンからレンタル契約でバルセロナに加わった。
超高速ドリブラーとして有名なトラオレだが、バルセロナへのレンタルは半年で終了。今夏にはウォルバーハンプトンへ戻ることになった。ハフィーニャやメンフィス・デパイ、アンス・ファティ、ウスマン・デンベレ、トーレスらワイドな位置にタレントが揃っている現状を考えると、トラオレがバルセロナで生き残るのは難しかったかもしれない。
ただ、トラオレが話題にならないのも仕方がない。ウォルバーハンプトンに戻ったものの、今季はリーグ戦7試合で0ゴール0アシストと結果を出せていないのだ。ここまでは途中出場も多く、トラオレの存在感は薄かった。
そんなトラオレにやっとスポットが当たった。今節のノッティンガム・フォレスト戦に先発したトラオレは、56分に右サイドからお得意のドリブルでカットインして左足でシュート。良いコースには飛ばなかったが、これが相手DFの手に当たったとしてVAR判定の末にPKをゲットしたのだ。
これをルベン・ネヴェスが沈めて1-0で勝利を収めることになり、トラオレの仕掛けから決勝点が生まれることになった。ゴールともアシストとも記録されないが、スロースタートだったトラオレにとっては大きな一歩か。
スピードを活かした突破は誰もが認める武器なのだが、プレミアリーグでは昨季も20試合で1ゴールしか奪えないなど得点力の部分に課題があった。ここさえ改善できればスペイン代表の常連になることも可能なはずで、それこそバルセロナのようなビッグクラブで生き残るにはそこを磨くしかない。
まだ26歳とビッグクラブへのステップアップを狙える年齢だが、トラオレは課題を克服できるのか。バルセロナを離れ、プレミアで再びトラオレの挑戦が始まる。