来季からアーリング・ハーランドとフリアン・アルバレスの2人の新たなFWがチームに加わることになるマンチェスター・シティ。両者ともに純粋な9番であり、近年のシティにいなかった人材だ。とくにハーランドは欧州での実績があり、即戦力として考えていいだろう。
彼らの加入もあってガブリエウ・ジェズスが退団を希望している。アーセナルやチェルシー、トッテナム、レアル・マドリードなど複数のクラブが関心を寄せており、争奪戦になる可能性が高い。英『Mirror』によるとラヒーム・スターリングも移籍の可能性があり、チェルシーやアーセナル、レアルとこちらも多くのクラブが興味を示しているようだ。両者ともに2023年で契約が切れることになっており、売却するなら今年の夏になる。またスターリングは冬に開催されるワールドカップ・カタール大会を戦うために先発が確約されたクラブへの移籍を望んでいるとのこと。
報道によるとシティはジェズスを5500万ポンド、スターリングを6000万ポンドで売却したいと考えており、計1億1500万ポンド(日本円にして約190億円)の利益を見込んでいるようだ。シティはブライトンのマルク・ククレジャとリーズ・ユナイテッドのカルヴィン・フィリップス獲得を目指しており、彼らの売却益は新戦力獲得に充てられると予想できる。
もし前述した流れができればシティとしては成功の夏となるが、実績のある2人のFWを同時に売却するのはリスクが高いように思える。ハーランドは即戦力だが、アルバレスは欧州初挑戦だ。すでにアルゼンチン代表でもデビューしている逸材だが、即フィットするかは分からない。
スターリングは27歳と若くなく、売却するならこの時期だといえる。しかし3トップならどこでもプレイできるユーティリティ性、怪我の少ない頑丈な体、17-18シーズンから5季連続でリーグ戦二桁得点できる能力の高さは長いシーズンを戦う中で今季も貴重な戦力だった。確かにビッグマッチでの頼りがいのなさは気になるが、スターリングの継続力は目を見張るものがある。
リヤド・マフレズ、フィル・フォーデン、ジャック・グリーリッシュらが残るにしてもこれまでチームを支えた実力のあるFWを一気に放出するのはリスキーだといえる。右ウイングはマフレズのみとなり、来季シティの前線はどのような顔ぶれでシーズンをスタートするのだろうか。