このままではポジションを失う可能性大 カンセロ、アケの躍動に追いつけないウクライナ代表MFの現在地

ウクライナ代表のオレクサンドル・ジンチェンコ photo/Getty images

パフォーマンスを上げる必要があるのだが

マンチェスター・シティは選手層の厚いチームであり、そういったこともあって選手間での序列の入れ替わりが激しい。以前までは批判されることの多かった選手がいつの間にかスタメンになっているなど、ジョゼップ・グアルディオラが選手に求めるものはいい意味でシビアだ。

その中で今季はオレクサンドル・ジンチェンコが評価を落としている。昨季は左サイドバックとして地位を確立しており、チェルシーとのCL決勝ではスタメンを任されている。しかし、今季はジョアン・カンセロが両サイドで躍動しており、ジンチェンコはポジションを奪われてしまった。

アトレティコ・マドリードのCL決勝トーナメントラウンド8の1stレグでは右サイドバックのカイル・ウォーカーが出場停止となっており、右にカンセロ、左にジンチェンコのスタメンが予想されていた。しかし、左サイドで出番を得たのはセンターバックのネイサン・アケだった。センターバックの選手ということもあってさすがの守備力を見せ、インターセプト数3回に空中戦勝利数はチームトップの4回を記録。スピードもある選手で、守備で気になることはなかった。ビルドアップではジンチェンコほどの器用さはなかったが、試合を通じてのパス成功率は91%と高く、反対のサイドのカンセロが高い位置を取っていたため、そこまで悪目立ちすることはなかった。

ここで起用されなければジンチェンコとしては苦しい。昨季までジンチェンコよりも評価の低かったカンセロは今季躍動しており、攻守両面で輝いている。守備での脆さも露呈することはあるが、それを帳消しにするほどの攻撃力を持っている。ジンチェンコにそれほどの攻撃力は望めない。攻撃であればカンセロが、守備であればアケにジンチェンコは勝てず、中途半端な立ち位置となっている。

移籍市場に精通しているジャーナリストのファブリシオ・ロマーノ氏によればシティは来夏でストライカー、中盤、左サイドバックの獲得を目指すようだ。ストライカーはボルシア・ドルトムントのアーリング・ハーランドがメインターゲットであり、中盤は去就が不透明となっているフェルナンジーニョの代役だろう。左SBは現状、本職がおらず、攻守で躍動するタイプの獲得を目指すか。

今季は母国のこともあって精神状態が難しいと思われるジンチェンコ。直近の先発は3月9日のスポルティングCP戦にまでさかのぼることになる。ペップの気遣いなのか、パフォーマンスの低下なのかはっきりとは分からないが、このままではチームで出番を得られなくなってしまう(データは『WhoScored.com』より)。

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