ベンゼマのリーガ得点王に待ったをかける存在が 好調ベティスで暴れる“伏兵”とは

今季も好調のベンゼマだが、得点王獲得に向けて油断はできない photo/Getty Images

猛烈な追い上げを見せる男がいる

現時点でリーガ・エスパニョーラの得点ランキングで首位に立つのは、レアル・マドリードのFWカリム・ベンゼマ(33)だ。先日行われた第17節のアトレティコ・マドリード戦でもゴールを決め、その得点数を「13」にまで伸ばしている同選手。バルセロナからリオネル・メッシが去った今季、ついに彼はリーガの得点王を獲得できるのか。人々の注目は間違いなく集まっている。

しかし、現在のリーガではそんなベンゼマを猛烈に追い上げる伏兵の存在も見逃せない。もしかすると、彼の台頭によってベンゼマはまたも得点王を逃すのか。そんな予感を漂わせるのは、今季ここまで10得点でランキング2位タイにつけるベティスのFWファンミ(28)だ。

現在リーガで3位という快進撃を披露しているベティスにおいて、貴重な得点源となっているファンミ。第13節までは4ゴールだった同選手だが、それ以降の4試合では6ゴールを挙げる獅子奮迅の活躍を見せている。特に第15節のレバンテ戦ではハットトリックを達成。続く第16節でもバルセロナに土をつける決勝点を挙げており、もう手が付けられない状態だ。瞬く間にベンゼマとは3点差。今後もこの調子を継続できるのであれば、今後どこかでファンミが一気にトップへ躍り出る可能性はあるだろう。

今季のリーガ得点王争いで猛烈な追い上げを見せるファンミ photo/Getty Images

データで見るファンミの勢い

そして、なにより興味深いのはその得点ペースだ。ここまでベンゼマが1点を奪うのに99.46分を要しているのに対して、ファンミはわずか89.6分につき1点というハイペースで得点を生み出している。現在の連続試合ゴールが途切れた際にベンゼマが再び差を突き放す可能性も十分考えられるが、現時点での勢いはファンミに分があると言っていいだろう。

加えて、ゴール期待値を絡めた分析も面白い。データサイト『understat.com』によると、両者が今季ここまでに記録しているゴール期待値はベンゼマが「8.68」、ファンミが「5.12」だ。このゴール期待値という指標は、端的に言えば「その選手に巡ってきたチャンスの質を考慮して、その選手が決めているべき得点数を表したもの」。要するに、この数字よりも実際の得点数が高ければその選手は優秀、低ければ決めるべきチャンスを逃しているということになる。

両者ともに“実際の得点数−ゴール期待値”の数字はプラスだ。つまり、どちらも優秀。しかし、その差を細かく見てみると、ベンゼマは「4.32(13点-8.68)」、ファンミは「4.88(10点-5.12)」となっている。ベンゼマの数値も相当に優れているのだが、ファンミはさらにその上を行っているのだ。

現時点ではベンゼマがレースをリードしているものの、データを見てみるとその立場も決して安泰ではないことがわかる今季のリーガ得点王争い。はたして、2021-22シーズンにその座を射止めるのは誰なのか。まだ少し気は早いかもしれないが、今後の展開が楽しみだ。

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