ついに来た“メッシ・システム”脱却のとき 新生バルサの未来はどうなる

今後はF・デ・ヨング(左)やデパイ(右)がチームを牽引する存在となっていくのか photo/Getty Images

「レオの個人的なクオリティは失ったが……」

2021年夏、これまで長らくチームを牽引してきたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシをついに手放すこととなったバルセロナ。主将としてもエースとしても存在感を放ってきた男の退団が、名門バルサをどう変えるのか。

おそらく、多くの人が気にしているのは攻撃力の低下だろう。唯一無二のクオリティを備えたエースが退団となっただけに、心配するのは当然と言える。なにしろ、彼は昨季出場した公式戦47試合で52ゴールに絡んだ(38G14A)選手だ。

しかし、メッシが退団したことで得る恩恵もあるのは間違いない。偉大すぎるスーパースターであるが故に、長年バルセロナは彼を中心とした歪なチームの構築を強いられていた。いわゆる“メッシ・システム”だ。ひとつの形をようやく確立しても、数年ごとにアップデートが必要だったこのシステム。だが、メッシの退団によってバルセロナはようやくそのループから抜け出すこととなったのだ。なにも悪いことばかりではないだろう。
「レオを失うことは我々にとって大きな打撃だった。今季も彼とともにシーズンを送る計画を立てていたからね。それからチームを整えるのに少し時間がかかってしまった。だけど、我々は着実にスカッドを再構築している。レオが退団したことで伴った痛みはあるが、ボールを持っていない場面でできることが増えたのはポジティブに考えるべきだ。レオの個人的なクオリティは失ったが、チーム全体としてはより良くなっていると感じるよ」(スペイン『MARCA』より)

バルセロナのロナルド・クーマン監督も、チームの戦術に幅ができたと前向きだ。メッシの不在がマイナス要素となることは間違いないものの、これは彼らが次のステップへと進むためには必要なことだったか。絶対的な得点源を失ったものの、着実に新たな時代へと向かいつつあるバルセロナ。今後の彼らがどのような戦いぶりを披露していくのかには、継続して注目したいところだ。

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