日本のサッカーがワールドカップを制するのはまだまだ先の話かと思われていた2011年、なでしこジャパンがドイツの地で超特大のサプライズを披露した。
英『90min』は「2010年代の偉大なるチーム」と題した特集を組んでいるのだが、その1つに2011女子ワールドカップを制した当時のなでしこジャパンが選出されている。なでしこはオリンピックこそまずまずの成績を残していたが、ワールドカップでは目立った結果を残すことができていなかった。
2011年大会を迎えるまで1大会で2勝したことがなかったのだが、2011年大会ではグループステージ初戦のニュージーランド、第2戦のメキシコと連勝を記録。最終節こそイングランドに敗れたが、2位でグループを突破することに成功。1999年大会から3度続けてグループ敗退に終わっていたのだから、これだけでも大健闘だ。
しかし彼女たちの躍進は止まらず、決勝トーナメント1回戦では開催国のドイツを撃破。しかもドイツは2003、2007年大会と連覇を果たしていた完全なる格上で、当時も無敗で連覇を達成している。つまりワールドカップで負けるのは、1999年大会以来だったのだ。開催国のアドバンテージを得て3連覇を狙っていたドイツとしては、予想もしなかった敗戦といったところだろうか。
勢いに乗った日本は準決勝でスウェーデンを3-1で撃破。スウェーデンも2003年大会では準優勝を果たしており、簡単な相手ではなかった。それでもドイツを撃破した日本の実力は本物で、なでしこの華麗なるサッカーを世界も認めていた。
そして決勝のアメリカ戦だ。同メディアも最大の戦いだったと振り返るが、お世辞にも理想的な展開だったとは言えない。アメリカの圧力は強烈で、日本は何度も危ないシーンを迎えた。
2度のリードを奪われながらも必死に喰らいついた日本はPK戦まで持ち込み、アメリカが3人立て続けに失敗して優勝。まさに奇跡のような展開だった。
現在はチームも世代交代し、絶対的リーダーだった澤穂希のような選手もいない。しかし同メディアは2019ワールドカップでベスト16に入ったチームをフレッシュとポジティブに捉えており、若い選手たちが経験を積めば2023年大会では優勝候補の一角になれると注目している。
日本女子サッカーの人気に火をつけたことを考えても、2010年代のベストチームの1つにふさわしいと言えよう。
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