今回日本代表に招集された23名のうち、実に20名が海外でプレイする選手たちです。過去最多の人数で、いよいよここまで来たのか……。こんなに増えたのだなという印象を持っています。同時に、時代の流れを感じて、少し寂しい気持ちもあります。
私が日本代表に選出されていたころは、海外のスカウティングから日本の選手がいまほど注目されていませんでした。移籍先もイタリア、オランダ、ドイツなどで、世界各国で日本人選手が活躍していたわけではありません。
対して、いまは各国のスカウティングが日本に目を向けており、多くの選択肢があります。イタリア、ドイツ、スペイン、イングランドの4大リーグはもちろん、フランス、ベルギー、オランダ、ポルトガル、トルコ、スコットランド、セルビア、ロシア……。パッと思いつく欧州の国だけでも、これだけ多くのリーグでプレイしています。
2部、3部、さらに下のカテゴリーまで範囲を広げれば、アジア、オセアニアはもちろん、世界各国で日本人選手をみつけることができます。日本代表における“海外組”の割合が過去最多となったのは、もはや必然だといえます。
そうしたなか、現役時代に右サイドバックだった私は、長友佑都、酒井宏樹に続くサイドバックの台頭に期待しています。いまの日本代表をみると、両名の存在感が大きく、後継となる選手を探している状態です。そういった意味で、安西幸輝(ポルティモネンセ)、小池龍太(ロケレン)のパフォーマンスに注目しています。
安西幸輝はシーズン開幕からレギュラーとしてフル出場を続けています。第5節ポルト戦でゴールを奪うなど結果も残しており、このまま日本代表に定着することが期待されます。小池龍太も開幕戦から出場を重ねていて、第9節ルーヴェン戦では決勝点となるゴールをマークしています。両名ともにアグレッシブかつスピードある攻撃参加ができる選手で、ゴールにつながるクロスボールをあげられるし、正確なミドルシュートを打つこともできます。ロケレンには天野純もいるので、気持ちよくプレイできているのではないでしょうか。
この両名に限らず、いま海外でプレイする若い選手たちは、今夏にシント・トロイデンからボローニャに移籍した冨安健洋、フランクフルトにレンタルバックとなった鎌田大地のように、さらなるステップアップを考えていると思います。
冨安健洋はボローニャでもすぐに信頼を勝ち取り、右サイドバックのレギュラーとなっています。鎌田大地も攻撃の主力として出場を続け、成長した姿をみせています。同じシント・トロイデンからは遠藤航もシュツットガルトに移籍しましたが、こちらはちょっと苦しんでいます。ただ、貴重な経験ができているのは間違いなく、いま直面しているカベを乗り越え、また日本代表で活躍してほしいです。