中島翔哉(ポルト)、堂安律(PSV)にしても、さらなるビッグクラブへの移籍が期待されます。考えてみれば、数年前には本田圭佑(ミラン)、長友佑都(インテル)、香川真司(マンチェスター・U)がビッグクラブでプレイしている時期がありました。W杯でベスト8に進出する国々は、多くの選手がCLでも上位進出するようなビッグクラブに所属しています。日本代表がまだ達成できていないW杯ベスト8進出のためには、より多くの選手が真のビッグクラブに所属し、なおかつ試合に出ているという状況を作りあげないといけないでしょう。
とはいえ、中島翔哉、堂安律ともに今シーズンから新しいクラブでプレイしており、まずは新天地で結果を残さなければなりません。一方、南野拓実はすでにレッドブル・ザルツブルクでしっかりとポジションを獲得し、コンスタントに得点しています。先日開催されたCLではリヴァプールを相手に1得点1アシストの活躍をみせ、各国のメディアから高い評価を得ています。当然、スカウティングの目にも止まっており、いよいよビッグクラブへの移籍が実現するかもしれません。
マジョルカでプレイすることを自ら決断した久保建英は、いま大きなプレッシャーを感じていると思います。マジョルカというクラブの地域性、雰囲気、実力を考えると、いままで経験したことがない難しい環境に置かれていると思います。ただ、彼は言葉が話せるので、コミュニケーションは取れています。試合に出ることはできているので、あとは具体的な結果=勝利につながるゴールやアシストがほしいところですが、それは本人が一番感じているでしょう。焦らず、チームが持つポテンシャルのなかで自分がいかに力になれるか、強みであるコミュニケーション能力を生かして頑張ってほしいです。
おもに欧州でプレイする選手について語ってきましたが、個人的には南米大陸でももっと多くの日本人選手にプレイしてほしいです。かつては、高原直泰がアルゼンチン、廣山望がパラグアイやブラジルでプレイしていました。武田修宏さんもパラグアイでプレイしていたことがあります。また、澤昌克のようにペルーで頭角を現わし、その後にJリーグで活躍した選手もいます。
南米はやはり、一人一人が泥臭く、人生をかけて必死にプレイしているハングリーさがあります(欧州がそうではないと言っているわけではありません)。ブラジルやアルゼンチンの国内リーグは刺激的で、間違いなく選手として財産になります。だからこそ、かつてのように南米でプレイする日本人選手に出てきてほしいです。
海外でプレイすると必ずなにか掴めるものがあると思うので、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてほしいです。悔しい経験をするかもしれませんが、それは国内にいると味わえないものです。あとは、成功体験、失敗体験も含めて、海外で積んだ貴重な経験を日本代表やJリーグに還元し、日本サッカーのレベルアップにつなげてもらえればと思っています。
電子マガジンtheWORLD238号 10月15日配信の記事より転載
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