個性が強すぎる選手は一斉放出 ひと夏でインテルを変えたコンテの“冷酷手腕”

好調を維持するインテル photo/Getty Images

迅速な判断でチームを優勝候補へ

アントニオ・コンテ率いるインテルがこれほどスムーズに機能すると予想していた人がどれだけいただろうか。コンテがユヴェントス、チェルシーの両クラブで就任1年目にリーグ制覇を達成しているとはいえ、インテルでの7勝1敗スタートは驚きだ。

何より巧みだったのは今夏の補強だ。獲得する方だけではなく、売却の方も判断が素早かった。コンテはエースだったマウロ・イカルディにあっさりと見切りをつけ、同じく個性の強いラジャ・ナインゴランも放出。イヴァン・ペリシッチも自身のプランには合わないと判断を下し、手放している。彼らはチームの主力だったが、コンテの判断は早かった。

『90min』は「コンテの冷酷なアプローチ」と取り上げているが、結果的にはこれが正しかったことになる。イカルディの代わりに獲得したロメル・ルカクは瞬く間にチームのエースとなり、ラウタロ・マルティネスとのコンビネーションも試合を重ねるごとに良くなっている。
中盤ではサッスオーロからステファノ・センシを獲得したが、同メディアは今季ここまでのセリエAベストプレイヤーとまで絶賛する。センシのパフォーマンスは出来過ぎで、恐らくはコンテの想像をも超えていたはずだ。この補強がミラクルヒットしたことも大きい。

新戦力だけでなく、既存戦力のレベルアップも忘れていない。コンテ就任とともにパフォーマンスが上がったと評価されているのが、右のウイングバックを担当するアントニオ・カンドレーヴァだ。3バックを採用するコンテにとって、幅を取るウイングバックの人選は非常に重要だ。攻撃力のあるカンドレーヴァが自身のスタイルに合うと判断したのだろうが、この起用法も同メディアが高く評価するポイントだ。

個性が強すぎる選手たちを手放し、チームのためにハードワークできるとともに自身の3バックシステムに合う実力者を1度の市場で揃えたことこそロケットスタートの理由だ。同メディアはコンテがチーム作りで苦労したことがないと伝えているが、正確な目利きも就任当初から結果を出せる理由なのだろう。残る課題は継続性だが、ひと夏でインテルは王者ユヴェントスを追いかける強力な2番手クラブへと変化を遂げている。

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