今季わずか1敗
今季のセリエAは第10節終了時点でナポリが勝点22で首位に立ち、21でインテル、ミラン、ローマが追走するデッドヒートを繰り広げている。この戦いを盛り上げている大きな要因として昨季22シーズンぶりにトップリーグ昇格したばかりにもかかわらず、現在わずか1敗で勝点17の7位につけているコモ1907の存在だろう。
上位チームに続くコモの特徴はなんといっても、1試合平均58%近くの数字を誇るポゼッションサッカーだ。かつてアーセナル、バルセロナ、そしてW杯などを制した2010年代のスペイン代表に名を連ねたセスク・ファブレガス監督の率いるチームはイタリアの地で新たな旋風を巻き起こそうとしている。
セスク・ファブレガス監督は第10節でナポリと引き分けた試合前のインタビューで、「まだ始まったばかりだが、チームは成長している」と更なる進化に自信をのぞかせている。『Football Italia』が伝えた。
「失点は減っているし、選手たちは自分たちがやっていることに自信を持って、ステップアップし続けている。一方でボローニャ、ジェノア、クレモネーゼのような試合では、もっとうまくやれる瞬間はまだある」
首位のナポリと0ー0で引き分けたという事実は昨年度の昇格チームにとって大番狂わせという見方もできるだろう。しかし、この結果についてファブレガスは「勝てないことに腹を立てている」と試合後のインタビューで語り、コモは試合を支配するチームになるために「あと一歩」を踏み出さなければならないと更なる向上の余地について言及している。
「もっとシュートを打つ必要があるが、攻撃の仕方に取り組んでいる。完全なチームが見えてきたので、今はもっと支配的になりたいと思っている。上位に立ちたいのであれば、負けずに勝たなければならない。ナポリの勝ち点を大切にするためには、(今節の)カリアリに勝たなければならない」
また、相手チームにポゼッションを許すことはあるのかと問われると、「もしかしたらカウンターで得点するかもしれませないが、私にとってそれは存在しないものだ。試合に勝つために、少しイタリア化した(ポゼッション)サッカーを目指している」と笑いながら答え、強豪クラブ相手にもボールを譲らない姿勢を貫くことを強調した。
今季のコモはセリエAの”難所”と言えるような存在となっているが、ファブレガスはさらにハイレベルなチームを目指している。来季はコモがCLやELといった欧州を股にかける戦いに挑んでいる可能性も十分にあるだろう。