シャビ、イニエスタ、セスク イタリアを4-0で粉砕した“10年前”のスペインは代表史上最強か

EURO2012を制したスペイン photo/Getty Images

今のスペインでも近づけない圧倒的実力

今からちょうど10年前の2012年7月1日、世界は衝撃を受けた。

この日行われたのはEURO2012決勝、スペインVSイタリアの一戦だ。欧州No.1を決める戦いでワンサイドゲームになるのも珍しいが、スペインはイタリアを4-0のスコアで粉砕。EURO2008、2010ワールドカップ・南アフリカ大会に続いてメジャートーナメント3連覇を達成した瞬間だった。

スペイン代表といえば、今年のワールドカップ・カタール大会で日本代表が対戦する相手だ。今もタレント揃いのチームではあるものの、さすがに10年前のチームとは比較できないだろう。英『Planet Football』が改めて当時のスペインを振り返っているが、代表チームの中でも史上最強と言っていいチームの1つだ。
イタリア戦に出場したのはGKイケル・カシージャス、サイドバックにアルバロ・アルベロアとジョルディ・アルバ、センターバックはジェラール・ピケとセルヒオ・ラモス。中盤は底にセルヒオ・ブスケッツ、シャビ・アロンソ、その前にシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガスが並んだ。

2012年のスペインでは純粋なセンターフォワードを配置しない戦いも増えていたが、改めて見るとMF陣の名前が豪華すぎる。さらにベンチには最後まで出番のなかったサンティ・カソルラ、87分から出場してダメ押しの4点目を奪ったフアン・マタまでいたのだから、当時のスペインのMF陣は異常だ。

イタリアもグループステージの戦いではスペイン相手に善戦したが、同じ手が2度通用するほど当時のスペインは甘くない。DFジョルジョ・キエッリーニやGKジャンルイジ・ブッフォン、MFクラウディオ・ピルロらを中心に良いチームには仕上がっていたが、決勝ではスペインの進撃を止めることができなかった。

自由自在にボールを操ったスペインはダビド・シルバ、ジョルディ・アルバ、途中出場のフェルナンド・トーレス、マタのゴールで4-0と完勝。このチームも2年後のワールドカップ・ブラジル大会では崩壊するわけだが、それでも2008年からの4年間は見事な世界支配だった。

あれから10年。スペインは偉大すぎる世代からのバトンタッチに苦労しているところがある。シャビ、イニエスタ、ダビド・ビジャ、ダビド・シルバらの後継者と呼べる選手がなかなか見つからず、チーム力は明らかに落ちた。

現在は若いMFペドリ、FWアンス・ファティといった選手が頭角を現し、再び世界を支配すべくカタールの地へ乗り込んでくる。欧州制覇から10年を迎えたスペインにとっても、今年のカタール大会は新たなチャレンジの場となる。

10年前に匹敵するチームを作り上げるのは不可能かもしれないが、スペインはカタールの地でどんなフットボールを披露してくれるのか。スペインのファンは2008年からの最強世代を永遠に忘れられないはずで、その再現を願っているファンは多いだろう。

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