この一年を無駄にしてしまった イングランド代表でピックフォードとポジションを争うはずだった男の現在

今季はほとんど出番のないディーン・ヘンダーソン photo/Getty images

怪我が不運だった

イングランド代表サッカー協会は先日、スイス代表、コートジボワール代表との親善試合を戦う代表メンバーを発表している。すでにワールドカップ・カタール大会への出場権は獲得しており、本大会までの約9カ月はテストに充てられるだろう。

そこで話題となっているのが守護神問題だ。これまではEURO2020も含め、エヴァートンのジョーダン・ピックフォードが務めていたが、現在ではアーセナルのアーロン・ラムズデールを推す声が多い。もちろん、所属クラブの戦力的な影響から守備スタッツに差が出るのは仕方ないが、今季はラムズデールの圧勝だ。また、ラムズデールにはピックフォードにない高水準のビルドアップを提供できる存在であり、そういった部分でもラムズデールが新・守護神として期待されている要因だ。今回の代表戦ではラムズデールが参加を辞退したこともあって勝負はお預けとなったが、今後も代表戦があるたびに話題となるだろう。

盛り上がりを見せるスリーライオンズのポジション争いだが、本来であればここにいる選手が、現在は代表にすら選ばれていない。マンチェスター・ユナイテッドのディーン・ヘンダーソンだ。
ユナイテッドのアカデミーで育ち、トップチーム昇格後はローン移籍で複数のクラブを渡り歩いたヘンダーソン。2018年に加わったシェフィールド・ユナイテッドで大きく飛躍し、昨季はユナイテッドに戻ってきた。昨シーズンはダビド・デ・ヘアが不調なこともあってスタメンに定着しており、2-0で勝利したマンチェスター・シティ戦でもゴールマウスを守っている。

以前まではイングランド代表に選ばれていた彼だが、デ・ヘアの復活ですべてが台無しになってしまった。昨季終盤はポジションを奪っていたが、今季は怪我や新型コロナウイルス感染と悪い出来事が重なってしまい、さらにデ・ヘアが完全に復調してしまった。ヘンダーソンとしてはデ・ヘアが持っていないカバーリングなどの武器を持っているが、スーパーセーブを連発することができるデ・ヘアをオーレ・グンナー・スールシャール前監督や現暫定監督のラルフ・ラングニックは重宝している。

そんなヘンダーソンはトップチームでの出番を希望しており、移籍市場に精通しているファブリシオ・ロマーノ氏によればニューカッスルが関心を寄せているという。ニューカッスルは冬の移籍市場でもヘンダーソンにアプローチをかけており、選手本人もこのまま状態が変わらなければ移籍に向かうはずだ。

イングランド代表の守護神候補だったのも過去の話で、現在は所属クラブで出場機会を得る必要のあるヘンダーソン。ニューカッスルが自身を求めているとの話もあるが、今後の決断に注目だ。

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