プレミア最高のパサーにノミネートされた異質な存在 GKながらパスを得意とする“シティの司令塔型守護神”

マンチェスター・シティではパスでチームに貢献しているエデルソン photo/Getty images

珍しいタイプだったが、今ではそれが普通になりつつある

現在アストン・ヴィラで監督を務めるスティーブン・ジェラード、同じくエヴァートンで監督業に励むフランク・ランパード、現役ではリヴァプールのトレント・アレクサンダー・アーノルド、マンチェスター・シティのケビン・デ・ブライネなどプレミアリーグには多くの優秀なパサーがいた。彼らが繰り出すパスは芸術的で、多くのサッカーファンをこれまで魅了してきた。

英『The Athletic』では「プレミアリーグ史上最も優秀なパサーは誰だ」という特集を組んでおり、前述した4人に加えて元マンチェスター・ユナイテッドのポール・スコールズや、現レアル・ソシエダのダビド・シルバ(元シティ)らの名前が挙げられている。パサーにもタイプはあるが、いずれ劣らぬ最高のパサーだ。

しかし、ノミネートされた計17人の選手の中に異質な存在がいる。シティのGKエデルソン・モラレスだ。

ベンフィカのアカデミーで育つも、トップチームへの昇格には至らずリベイロンでプロキャリアをスタートさせたエデルソン。その後2015年に古巣に復帰し、2017年にシティにやってきた。

そんなエデルソンの強みはやはり、ビルドアップでの貢献度だ。シティはGKからパスをつなぐサッカーを信条としており、ポゼッションサッカーを攻撃の軸としている。そのため、ハイプレスを仕掛けられることが多いのだが、エデルソンが後方の司令塔となることでそのプレスを無効化し、前掛かりになった相手の隙をつくことができる。

ショートパスだけでなく正確で威力も兼ね備えたロングキックを持っており、昨季のパリ・サンジェルマン戦では彼のロングフィードが起点となってゴールが生まれている。プレミアでもそういったシーンが何度か見られており、シティ加入後のプレミアでは2アシストを記録している。ロングフィードの精度はプレミアでトップであり、成功率は57%を記録している。2位のウーゴ・ロリスが47%であり、10%の差は大きい。

また、ビルドアップを積極的に行うGKはどうしてもつなぎに固執することが多くなってしまうが、エデルソンはそういった際に前線に蹴り出しピンチを脱することができる。こういった賢さもまた彼の武器だ。

現代サッカーではGKからパスをつなぐチームが増えてきたが、そういった役割を任せるなら彼が一番だろう。正確な判断に加えてパスセンスが飛びぬけており、GKながら彼がプレミア最高のパサーに選ばれるのも納得だ(データは『SofaScore』より)。

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