[MIXゾーン]“元セレソン”の肩書きに囚われない献身性 ダミアンがフロンターレを背中で引っ張る

徳島戦で2ゴールを決め、勝利に貢献したレアンドロ・ダミアン photo/Getty Images

昨季以上の積極的なボールチェイス

川崎フロンターレは10日、明治安田生命J1リーグ第3節で徳島ヴォルティスと対戦。ホームでの戦いということもあり、立ち上がりから試合を優位に進めると、前半に2点を奪い、リードしてハーフタイムを迎える。後半に追加点こそ奪えなかったが、徳島のシュートを90分で2本に抑えるなど安定した守備も見せ、2-0の勝利を収めた。この結果、開幕4連勝を飾った王者・川崎は、暫定ではあるものの今季も首位に君臨している。

この試合で圧巻のパフォーマンスを披露したのは、センターフォワードに入った元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン。12分に三笘薫のパスから貴重な先制ゴールを奪うと、42分には相手のミスを突いて追加点を決め、2ゴールの活躍を見せた。ダミアンはこのゴールにより、今季のリーグ戦得点数を「4」まで伸ばしている。

そして、なんといっても素晴らしかったのが、相手のミスを誘発し、自らのゴールを呼び込んだ前線からの積極的なボールチェイスだ。ダミアンは昨季もフロンターレの最前線で果敢にプレスを仕掛けるシーンをよく見かけた。ただ、今季はチームの副キャプテンに任命された影響もあってか、昨季以上に汗を流しながら必死にボールを追いかけ、背中でチームを引っ張っていっている印象。ここまでの戦いでも、スライディングで懸命に足を伸ばし、GKにも食らいつこうとする姿が多々見られ、仲間を鼓舞するとともに相手の大きな脅威となっていた。ダミアンの熱い姿に、心を打たれたフロンターレ・ファンも少なくないのではないだろうか。そんな献身的なプレイが、ついに目に見える結果としても現れ、ゴールという形で自らに返ってきたのだ。試合後の記者会見で、鬼木達監督もダミアンのプレイや姿勢を絶賛。次のように述べていた。

「昨シーズンもそうでしたけど、今シーズンはよりああいうプレイが際立っていると思います。ずっとああいうプレイは続けていましたけど、今日のゲームで言うと、ああいう形で『1点、2点取りたいね』という話をしていたので、それを体現してくれました。やはりああいう前から行くことは、今日はそのまま得点になりましたけど、仮に得点にならなくてもチームにエネルギーを与えてくれるので、今本当に良い力を発揮してくれていると思います」

「まず(ダミアンが加入してから)この2年間、しっかりといろんなところで彼の影響力があるというところ。あとは、新しいブラジル人の選手が毎年入ってきたりしていますが、そういう中でも彼を中心にすごくまとめ上げてくれているところ。今年もジョアン(・シミッチ)が入ったりとか……、日本人、ブラジル人、韓国人とかそういう枠を超えて、いろんなところにもっともっと影響力があっていいのかなというところで、彼に副キャプテンをお願いしました。本当にそれが良かったかどうかというところは、自分が考えてもわからないところです。ただ、より責任感を持ってプレイしてくれているかなとは思っています」

ただ、ダミアン自身は「自分としては、来日した当初から何も変わらずやってきたつもりではあります。これが自分のスタイルでもありますし、それがフロンターレのスタイルでもあります。同じような形で前からプレスをかけるというようなところに、うまく当てはまっているのかなと思います」とも話している。

“ロンドン五輪得点王”や“元セレソン”、これほどの肩書きがあれば日本で王様になってもおかしくはない。しかし、ダミアンはこういった肩書きに囚われず、フロンターレのサッカーをよく理解し、チームの勝利のために常に献身的なプレイを披露してきた。この日の試合後にも「これまでと変わらず得点王は意識していません。自分のやるべきことをしっかりやっていきたいです」とコメントするなど、発言からもチームを第一に考えていることがよくわかる。これも多くのフロンターレ・ファンから愛される理由だ。ダミアンは開幕戦から好調を維持し、フロンターレ3年目にして大爆発の予感が漂う。

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