[MIXゾーン]稲垣祥が見せる“優れた予測力” 鉄壁の名古屋に欠かせぬ中盤戦士

昨季から名古屋の中盤で重要な役割を果たしている稲垣 photo/Getty Images

決勝点ゲット&好守も

息をつく間もないほどに、見応えのある90分間だった。ネルシーニョ監督率いると柏レイソルと、マッシモ・フィッカデンティ監督率いる名古屋グランパス。いずれも守備の部分に並々ならぬこだわりを持つ指揮官のチームが激突したJ1第3節は、お互いがディフェンス面での良さを出し合う引き締まったゲームとなった。

前半は開始直後にペースを握った名古屋に対して、柏が粘り強く耐えた。名古屋は前半9分にFW柿谷曜一朗がGKと1対1の局面を作り出すも、柏DF大南拓磨の攻守に阻まれゴールとはならず。その後も相馬勇紀やマテウスといった両サイドのアタッカーを起点にとしてシュート8本を記録するも、枠内に飛んだのは1本のみ。良い守備からリズムを作り出して攻勢に出た名古屋だが、先制点にはあと一歩及ばなかった。

しかし、後半にその瞬間は訪れる。名古屋は58分に中盤でボールを奪うと、右サイドのマテウスに展開。ボールへ追いついた後に左足に持ち替えてクロスを供給すると、これに中央の柿谷が頭で合わせる。このシュートこそGKに防がれたものの、そこに詰めたのは中盤から長い距離をランニングしてきたMF稲垣祥。至近距離で左足を振り抜いたシュートは相手GKとDFに当たりながらも、最終的にはしっかりとゴールイン。名古屋にとって貴重な先制点となった。その後は柏が攻勢を強めるも、しっかりと守り切って1-0で勝利を手にした名古屋。知将ネルシーニョ率いる柏は難敵だったものの、見事に開幕から無傷の3連勝を達成した。

そんな柏戦における勝利の立役者は、なんと言っても稲垣だろう。先制点を挙げた場面以外にも、この男はとにかくピッチのあらゆるところに顔を出した。攻撃面では前述の通り、守備面では76分に柏FW細谷真大がゴール前にうまく落としたボールを回収するなど、とにかく稲垣のプレイは試合を通して気が利いていた。

「(得点シーンは)中盤でチームとして良い守備ができた後、相手の陣形が整っていないこともあって自分もフィニッシュに絡んでいこうと思いました。曜一朗くん(柿谷)はヘディングが上手くて、クロスをゴールに流し込む力があります。自分もこぼれ球に反応するのは得意なので、安心して走り込みました」

「今日はすごくタフで激しい試合になったので、そういった部分で自分たちは一歩も引かないぞという意識は持っていました。一つひとつの球際の部分など、少しずつ上回ることができたのが勝因だったと思います。(76分の場面は)咄嗟の判断でした。味方の食いつき具合や視線の向きを考えて、あそこにこぼれてきたら危ないと思いました。あの場面では自分の予測の良さが出せたかなと思います」

試合後に稲垣はこのように語っているが、彼のプレイの根幹にはこの“予測力”の高さがあるのだろう。目まぐるしく変わる展開の中でも、周囲の状況をきちんと把握して次のプレイに移る同選手。名古屋の守備が試合を通して崩れないのも、攻撃でワンチャンスを逃さないのも、判断力に優れた彼の存在が大きいはずだ。

好調・名古屋の中盤で攻守に躍動する稲垣。同クラブが今後も連勝を伸ばしていくことができるかどうかは、この男にかかっている部分も大きいのかもしれない。

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