負のサイクルが止まらない リーグ戦3連敗のクロップ・リヴァプールは立て直せるのか

決定的なゴールをハーヴィー・バーンズに決められるアリソン photo/Getty Images

CL争いのライバルに1-3で逆転負け

現地時間2月13日に行われたプレミアリーグ第24節、レスター・シティ対リヴァプールの試合はホームチームが3-1で勝利を収めた。レスターが暫定で2位に浮上した一方で、敗れたリヴァプールはユルゲン・クロップ監督が率いてからのワースト記録を更新するリーグ戦3連敗と苦しい状況が続いている。

前節で首位を走るマンチェスター・シティ相手に1-4で敗れて、2年連続のプレミア制覇に黄信号が灯ったリヴァプール。チームの現実目標がトップ4以内に切り替わった中、同じくチャンピオンズ・リーグ出場権を争うレスターを相手にした今節は戦いはチームにとって重要なものであった。

そんな中、試合を通して試合を優位に進めていたのはリヴァプールであった。立ち上がりから積極的なプレッシングや得意のショートカウンター、センターバックを務めたジョーダン・ヘンダーソンからのモハメド・サラーへのダイナミックな展開など、多彩な攻撃パターンでレスターを慌てさせていた。
そして迎えた後半22分には、トレント・アレクサンダー・アーノルドからの折返しを受けたロベルト・フィルミーノが巧みなヒールフリック。最後はサラーが今季リーグ戦17点目となるゴールを決め先制し、リヴァプールが試合を支配しながら時計の針を進めていた。

しかし、後半33分にジェームズ・マディソンのフリーキックがVAR判定でゴールになったのを機に突如チームが崩れる。後半36分にはユーリ・ティーレマンスが上げた前線へのフィードに対応したGKアリソンと、この日プレミアリーグデビューを飾ったCBオザン・カバクが衝突し、転がったボールを受けたジェイミー・バーディが無人のゴールへ沈める。これで緊張の糸が切れたのか、後半40分にもハーヴィー・バーンズにゴールを許し試合は決まった。

マンC戦と同じく見られた、一度試合の流れを相手に許すとチームが一気に崩れてしまう問題点。前節では相手の前線からのプレッシングからミスを犯し失点を重ね、今節でも同点弾のきっかけとなった自軍近くでのファウルや、アリソンとカバクの衝突など、元々優位に立っていたはずの流れを自ら相手に与えてしまった。

もちろん、リヴァプールにとって気の毒な面も多々にしてある。フィルジル・ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプと本職のCBが戦線離脱中な上に、その穴を見事に埋めていたファビーニョも不在。レスター戦でのアリソンとカバクの衝突も、マンC戦でミスを犯してしまったブラジル代表GKの責任感からくるプレイだったのであろう。

しかし、今季の目標を4位以内に下方修正した中で迎えたレスター相手に、同じような流れで失点を重ね敗北してしまった。クロップ政権下でヨーロッパチャンピオンに輝きプレミアリーグも制したチームが、怪我人続出という状況も相まって負のサイクルとも呼ぶべき状況下にいるのは確かである。

そんな中でリヴァプールは、現地時間2月16日にはチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦で、昨年のベスト4であるRBライプツィヒと顔を合わせる。近年で最大のスランプに陥ってしまったプレミア王者にとって、厳しい相手だ。

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