[MIXゾーン]J1残留を引き寄せた“起点パス” ベルマーレ鈴木冬一が狙っていたこと

自陣で守備をする時間が長かったものの、後半19分に意外性のあるパスを繰り出し、ベルマーレのJ1残留に貢献した鈴木冬一(28番) photo/Getty Images 

「攻撃が単発になりすぎないように......」

J1参入プレイオフ決定戦が12月14日に行われ、今季のJ1リーグを16位で終えた湘南ベルマーレがJ2リーグ4位の徳島ヴォルティスに1-1で引き分けた。「90分間(前後半各45分)の試合を行い、勝敗が決しない場合はJ1リーグ16位クラブを勝者とする」という大会規定により、ベルマーレのJ1残留が確定している。

前半20分に相手のコーナーキックからMF鈴木徳真にゴールを決められ、J1残留にむけ暗雲が漂ったベルマーレ。その後もヴォルティスの[5-4-1]の守備ブロックを崩せない時間が続いたものの、ベルマーレ加入1年目のMF鈴木冬一(19歳)が膠着状態を打破した。後半19分に敵陣左サイドでボールをキープした鈴木冬一は、相手選手3人に囲まれながらもペナルティエリア左隅へと走り込んだFW山﨑凌吾を見つけ、すかさず浮き球のパスを供給。この直後に山﨑がペナルティエリア内中央へクロスを送ると、ボールはFWクリスランのスルーを経てMF松田天馬のもとへ。相手GK梶川裕嗣と対峙した松田が落ち着いてシュートを放ち、ボールはゴール右隅に吸い込まれた。

密集地帯から同点ゴールの起点となるパスを繰り出した鈴木冬一は、試合後に報道陣の囲み取材に対応。長身FWクリスランが投入された後半に心がけていたことを明かしてくれた。

「ハーフタイムにクリスランが投入されることになったので、シンプルに彼を使っていこうという話を(選手間で)しました。でも、攻撃が単発になりすぎないように“ペナの横のゾーン”(敵陣ペナルティエリアの両脇)をとるであったり、(クリスランを目掛けてボールを)蹴るだけでないサッカーをしようという意識もありました。それがうまく得点に繋がって良かったなと思います」

後半開始前に投入されたクリスランへのロングボールや楔のパスを多用し、ヴォルティスの最終ラインを下げることに成功したベルマーレ。後半19分の場面でもクリスランが敵陣ペナルティエリアの手前中央にポジションをとっていたが、鈴木冬一は左サイドへタイミング良く走った山﨑へのパスを選択。この意外性のあるパスが値千金の同点ゴールに繋がった。特に前半は再三にわたり攻め上がってきた相手DF田向泰輝の対応に追われ、自陣で過ごす時間が長かった鈴木冬一だが、迅速かつ的確な状況判断でチャンスを演出し、ベルマーレのJ1残留に貢献。大一番でポテンシャルの高さを見せつけたこの若きドリブラーの更なる成長に期待したいところだ。


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