[水沼貴史]離脱者続出のバイエルン リヴァプールに勝つためには……

水沼貴史の欧蹴爛漫 025

水沼貴史の欧蹴爛漫 025

今季序盤は出場機会に恵まれなかったものの、復調してみせたハメス・ロドリゲス photo/Getty Images

第1戦と同じ戦い方をすべき?

水沼貴史です。UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16の第2戦が各地で行われていますが、敵地での第1戦で勝ち、ホームに帰ってきたレアル・マドリードやパリ・サンジェルマンの衝撃的な敗退に、わたくし自身驚かされました。今回は日本時間で14日の早朝に予定されている、バイエルン・ミュンヘン対リヴァプールの一戦についてお話しします。敵地アンフィールドでの第1戦を0-0で終え、第2戦をホームで戦うバイエルンですが、ジョシュア・キミッヒとトーマス・ミュラーが出場停止、負傷者リストにダビド・アラバ、コランタン・トリッソ、レオン・ゴレツカ、フランク・リベリ、アリエン・ロッベン、キングスレイ・コマンと、非常に苦しい台所事情となっています。ニコ・コバチ監督もさぞ頭を抱えているかと思いますが、こうした状況のなかでどのような布陣や戦い方が望ましいでしょうか。

バイエルンとしては国内リーグと同様、圧倒的にボールを保持して相手を自陣に閉じ込める展開に持ち込めれば理想的ですが、前がかりになるほど最終ラインの背後にスペースができ、モハメド・サラーをはじめとするリヴァプールの快足アタッカー陣が持ち味を発揮しやすくなります。最終ラインを低めに設定し、自陣ゴール前で守備ブロックを敷く戦い方が第1戦で功を奏したことや、直近の試合でリヴァプールが引いた相手を攻略しきれずにいることをふまえると、第2戦でも同じように戦うのが得策かもしれません。

第1戦では[4-2-3-1]の布陣のボランチで起用されたハビ・マルティネスとチアゴ・アルカンタラのカバーリングが的確で、ふたりのボール奪取から効果的なカウンターをいくつか繰り出せていました。相手のサイドバックの背後にコマンとセルジュ・ニャブリの両サイドハーフを走らせ、そこへパスを送ってサイドから局面を打開するという狙いも明確でした。第2戦ではリヴァプールの最終ラインの要フィルジル・ファン・ダイクが出場停止から戻ってきますが、第1戦と同じようにバイエルンのアタッカー陣が相手のサイドバックの背後をとれれば、センターバックのファン・ダイクをサイドへ釣り出すことができます。彼があけ渡したスペースにFWロベルト・レヴァンドフスキやトップ下のハメス・ロドリゲスらが飛び込めればチャンスとなりますが、こういった攻めを何回できるか。この点が勝負の分かれ目となりそうです。

仮にフィニッシュまで持ち込めなくても、コーナーキックやフリーキックを獲得できれば、このところプレースキックの精度が高いハメスがいますので、バイエルンにとってはチャンスとなります。特に最近はハメスとハビのフィーリングが合っており、2日のブンデスリーガ第24節(ボルシアMG戦)でもペナルティエリア内で相手のマークを巧みに掻い潜ったハビが、ハメスのコーナーキックに合わせて先制点をもぎ取りました。この試合をご覧の皆さんには、直近の試合で好調なハメスのキックや、セットプレイでのハビの動き出しにご注目頂きたいです。

今季よりバイエルンを率いているコバチ監督。現役時代を過ごしたクラブにタイトルをもたらせるか photo/Getty Images

3バック採用の可能性も

先ほどご説明した通り起用できるメンバーが限られていますので、左サイドバックのアラバの状態しだいでは、コバチ監督は大幅な布陣変更を余儀なくされるかもしれません。アラバ抜きで4バックを作るとなった場合、右サイドバックにジェローム・ボアテング、左サイドバックにラフィーニャという人選が考えられますが、こうなるとスピードに不安があるボアテングが対面のDFアンドリュー・ロバートソンやFWサディオ・マネに置き去りにされてしまうかもしれません。コバチ監督は前任地フランクフルトで[3-4-2-1]の布陣を多用しており、バイエルンに来てからはほとんど使っていませんが、この大一番での導入も考えられると私は思います。ボアテング、ニクラス・ズーレ、マッツ・フンメルスの3バックに、ラフィーニャとニャブリの両ウイングバック。ハビとチアゴの両ボランチにハメスとレナト・サンチェスの2シャドー。最前線にレヴァンドフスキという布陣が現時点で考えられますが、コバチ監督がどのような決断を下すか。私としては国内リーグと同様に超攻撃的に振る舞うバイエルンの姿を見たいですが、コバチ監督が苦肉の策として[3-4-2-1]の採用に踏み切り、自陣で[5-4-1]気味に構えてからのロングカウンターに賭けるかもしれません。第1戦と同様に守備重視のプランでいくのか、それともあえて超攻撃的に振る舞うのか。コバチ監督の采配がゲームの流れを大きく左右しますので、彼の決断から目が離せません。

ではでは、また次回お会いしましょう!


※UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16(第2戦)のバイエルン・ミュンヘン対リヴァプールの一戦は、日本時間3月14日(木)の早朝5時にキックオフ!

水沼貴史(みずぬまたかし):サッカー解説者/元日本代表。Jリーグ開幕(1993年)以降、横浜マリノスのベテランとしてチームを牽引し、1995年に現役引退。引退後は解説者やコメンテーターとして活躍する一方、青少年へのサッカーの普及にも携わる。近年はサッカーやスポーツを通じてのコミュニケーションや、親子や家族の絆をテーマにしたイベントや教室に積極的に参加。幅広い年代層の人々にサッカーの魅力を伝えている。

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