水沼貴史です。UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16の第2戦が各地で行われていますが、敵地での第1戦で勝ち、ホームに帰ってきたレアル・マドリードやパリ・サンジェルマンの衝撃的な敗退に、わたくし自身驚かされました。今回は日本時間で14日の早朝に予定されている、バイエルン・ミュンヘン対リヴァプールの一戦についてお話しします。敵地アンフィールドでの第1戦を0-0で終え、第2戦をホームで戦うバイエルンですが、ジョシュア・キミッヒとトーマス・ミュラーが出場停止、負傷者リストにダビド・アラバ、コランタン・トリッソ、レオン・ゴレツカ、フランク・リベリ、アリエン・ロッベン、キングスレイ・コマンと、非常に苦しい台所事情となっています。ニコ・コバチ監督もさぞ頭を抱えているかと思いますが、こうした状況のなかでどのような布陣や戦い方が望ましいでしょうか。
バイエルンとしては国内リーグと同様、圧倒的にボールを保持して相手を自陣に閉じ込める展開に持ち込めれば理想的ですが、前がかりになるほど最終ラインの背後にスペースができ、モハメド・サラーをはじめとするリヴァプールの快足アタッカー陣が持ち味を発揮しやすくなります。最終ラインを低めに設定し、自陣ゴール前で守備ブロックを敷く戦い方が第1戦で功を奏したことや、直近の試合でリヴァプールが引いた相手を攻略しきれずにいることをふまえると、第2戦でも同じように戦うのが得策かもしれません。
第1戦では[4-2-3-1]の布陣のボランチで起用されたハビ・マルティネスとチアゴ・アルカンタラのカバーリングが的確で、ふたりのボール奪取から効果的なカウンターをいくつか繰り出せていました。相手のサイドバックの背後にコマンとセルジュ・ニャブリの両サイドハーフを走らせ、そこへパスを送ってサイドから局面を打開するという狙いも明確でした。第2戦ではリヴァプールの最終ラインの要フィルジル・ファン・ダイクが出場停止から戻ってきますが、第1戦と同じようにバイエルンのアタッカー陣が相手のサイドバックの背後をとれれば、センターバックのファン・ダイクをサイドへ釣り出すことができます。彼があけ渡したスペースにFWロベルト・レヴァンドフスキやトップ下のハメス・ロドリゲスらが飛び込めればチャンスとなりますが、こういった攻めを何回できるか。この点が勝負の分かれ目となりそうです。
仮にフィニッシュまで持ち込めなくても、コーナーキックやフリーキックを獲得できれば、このところプレースキックの精度が高いハメスがいますので、バイエルンにとってはチャンスとなります。特に最近はハメスとハビのフィーリングが合っており、2日のブンデスリーガ第24節(ボルシアMG戦)でもペナルティエリア内で相手のマークを巧みに掻い潜ったハビが、ハメスのコーナーキックに合わせて先制点をもぎ取りました。この試合をご覧の皆さんには、直近の試合で好調なハメスのキックや、セットプレイでのハビの動き出しにご注目頂きたいです。