“罰金、髪型、PK問題” 元マンUアカデミー選手が明かす衝撃の舞台裏

ユナイテッド時代のDJ・ブッフォンジ Photo/Getty Images

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夢の舞台に立てず

マンチェスター・ユナイテッドのアカデミー出身として将来を嘱望されていたDJ・ブッフォンジ。だが、今やクラブ無所属となった26歳は、『The Athletic』にてオールド・トラフォードでの知られざる日々を明かした。

2015年に16歳でユナイテッドに加入したブッフォンジは、アーセナルやフラムの下部組織で育った。ユナイテッドユースではキーラン・マッケナのもとでプレイし、U−18では「レベルが簡単すぎる」と評価され、U−23へ昇格した。

しかし、ここから事態は一変。当時の指導者ウォーレン・ジョイスからは「髪を切らないとモウリーニョの下でデビューできない」と言われ、若きブッフォンジは困惑。「冗談めかして言われたとしても、当時の自分には重大な意味を持った」と振り返った。結局数カ月後に髪を切ったが、状況は変わらなかったという。
さらに18歳で入れたタトゥーが規律違反とされ、1週間分の給与を罰金として支払わされた。「『私は最高の自分になるために、自分の使命を生き、それを勇敢に成し遂げるためにこの世に生を受けた』という意味が込められていた。私にとって、それは大きな意味を持っていた」と語る。

転機が訪れたのは、ある日の昼食時にモウリーニョと話したことだった。ポルトガル人指揮官は「なぜ最近出場していないのか?」と尋ね、理由を確かめるために「今後トップチームで一緒に練習する」と約束。実際に練習に加わり、フィル・ジョーンズ相手に股抜きを決めたこともあった。

その後もトップチームでのトレーニングが続いたが、2018年、ジョイスの後任リッキー・サブラギアのもとで、事態はさらに悪化する。アカデミーでの試合中にPKを獲得したが、キッカーのアンヘル・ゴメスではなく自ら蹴って得点。しかしそのことで大きな叱責を受け、次戦からベンチ外に。以降出場機会は消滅した。

「そこからは、もはやサッカーの問題ではないと感じた。政治的なものだと感じるようになった。何が問題なのか、誰も直接教えてくれなかった」と語る。2019年にはスペツィアへ移籍。その後オランダの3クラブを渡り歩いたが、負傷と2度の手術もあり、プロキャリアに終止符を打ったようだ。

現在は、若者のメンタル、目的意識、自己成長について教えるプラットフォーム作りに注力している。「マンUでの経験すべてが、今の自分の原動力だ」と締めくくった。

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