ジンチェンコ放出で“SB難”のシティに朗報 右サイドで躍動する超新星。アケは左で手応え掴む

W杯後、出番が増えているリコ・ルイス photo/Getty Images

ここ2試合はともに悪くないパフォーマンスを見せる

FIFAワールドカップ・カタール大会が終わり、クラブサッカーが戻ってきた。近年プレミアリーグを支配するマンチェスター・シティはここまで2試合を戦って2勝と再開後は好調ぶりをアピールしている。

W杯前とW杯後ではいくつかの変更点があってそれが、サイドバックの人選である。W杯前はカイル・ウォーカーとジョアン・カンセロがメインで、ウォーカー負傷後はジョン・ストーンズやマヌエル・アカンジもSBで起用されていた。

再開後の2試合では前述した人選ではなく、右にリコ・ルイス、左にネイサン・アケが指名されている。
ルイスはアカデミー出身の18歳で、プレシーズンマッチから少ないながらも出場機会を与えられていた。すでに決勝トーナメント進出が決まっていたCLセビージャ戦ではトップチーム初ゴールを奪っている。

特長的なのはビルドアップ時のポジショニングで、シティらしくアンカーの横に立ってボールを進める。パスのアイデア、推進力のあるドリブルを持っており、ロドリの負担を減らす。球際の強さが光っており、守備でも輝くことができる。170cmと身体的な有利を持ち合わせていないが、賢さとハートの強さで戦う。

「リヴァプール戦でのパフォーマンスを見て、もう一度プレイさせないのは不公平だと思った」

英『Manchester Evening News』ではシティの指揮官であるジョゼップ・グアルディオラが、躍進するルイスについて語っている。リヴァプール戦でのパフォーマンスに感銘を受けたようで、再びチャンスを与えたようだ。リーズ戦での働きも安定感があり、次のエヴァートン戦でもプレイするかもしれない。

左のアケは好成績を残したW杯で自信を得たのか、左SBとしてチームに貢献している。アケの強みは守備であり、ウォーカーほどのスピードはないが、対人性能は高い。空中戦にも強く、ボールをはじき返す。以前はビルドアップでの判断の遅さが指摘されていたが、この2試合ではさほど感じない。リヴァプール戦では率先して後方から球出し役を買って出ており、リヴァプール相手にあのパフォーマンスを披露できれば、どこが相手でも通用する。

リーグ戦やCLのビッグマッチとなればまた話は変わるが、リーグ戦であればルイスとアケで十分に戦える。今季はとくにカンセロへの負担が大きく、ポルトガル代表としてW杯にも出場している。守備陣の新たな補強としてライプツィヒのヨシュコ・グヴァルディオルの獲得を目指しているようだが、早くても来夏になるようで、今季は今のメンバーで戦うことになる。ルイスの台頭で得られるポジティブな要素は多く、これからの成長に期待したい。

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