アーセナルの“アンカー問題”を最終的に解決するのはローン中の18歳? 気になるパティーノの6番適性

アルテタもパティーノには大きな期待を寄せているはずだ photo/Getty Images

守備的MFとして花開く可能性

現在プレミアリーグ首位のアーセナルは、リーグでもっとも平均年齢が若いチームでもあり、その将来性にも期待がかかっている。ブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルティネッリ、ウィリアム・サリバといった選手たちは、そのパフォーマンスと裏腹にまだ20歳をわずかに越えたばかりの若者で、これからさらにどのように化けていくのか、楽しみにしているファンも多いはずだ。

そして、彼らに続く、さらに若い選手たちにも有望株が揃っている。チャンピオンシップ(英実質2部)のブラックプールへローン移籍しているMFチャーリー・パティーノのその一人だ。18歳の彼は昨季すでにトップチームデビューを飾っており、2試合に出場。カラバオカップのサンダーランド戦ではゴールも決めている。

『Evening Standard』によれば、ブラックプールの指揮官マイケル・アップルトンは、パティーノの才能に魅せられ、彼の明るい未来を確信しているようだ。
「彼がクラブに来て、ボールを扱うのを見たとき、今まで見た誰よりも優れていると言ったよ。今夜(0-0で終わったサンダーランド戦)皆が見たように、彼は6番、10番、そして8番の位置でプレイできる。彼には本当に、本当に良い未来が待っていると思うよ」

気になるのは「6番の位置でもプレイできる」という部分だろう。現在アーセナルのトップチームではトーマス・パルティが絶対的な存在として君臨しているが、負傷による離脱率の高さが懸念される。バックアッパーのモハメド・エルネニーも離脱中、アルベール・サンビ・ロコンガも適性でいえば8番であって、アンカーの選手層には大きな不安がある。アストン・ヴィラのドウグラス・ルイス、ユヴェントスのマヌエル・ロカテッリなどを冬に補強するのではないかとの噂がしきりに飛び交っているが、もし来季パティーノがその穴を埋める存在になれるのであれば、アーセナルの中盤の選手層は一気に厚くなる可能性がある。

ランカシャーの地元メディアである『Lancs Live』では、次のようにパティーノは評されている。

「パティーノはボールを運ぶことができ、スタジアム・オブ・ライトでの後半に、チームのためにスペースを開拓することができていた。パティーノが難しい状況下でも非常に快適にプレイするのを見るのはいつものことであり、彼はすでにブラックプールで先発の地位を固めている。より深い位置で6番としてプレイし、ゲームのテンポを決めるスペースを与えたアップルトンは、彼の才能を十分に認識している」

アーセナルでのプレイを見る限り、どちらかといえばクリエイティブなボックス・トゥ・ボックスのMFだと思われていたパティーノだが、どうやら守備的なMFとしての才能を開花させつつあるようだ。武者修行を経て、トーマスの後継者となるのは案外この18歳なのかもしれない。

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