昨季までのオランダ・エールディヴィジをテン・ハーグ率いるアヤックス時代とするなら、今季のエールディヴィジは新たな時代に入ったと言っていいだろう。エリック・テン・ハーグはマンチェスター・ユナイテッドへ向かい、アヤックスは今夏に主力を複数枚失った。チームの顔ぶれはガラリと変わっている。
王者アヤックス、それをライバルのPSVが追いかける構図に変化はないが、両チームを中心とした新たな戦いがスタートする。
エールディヴィジはここまで2試合を消化したが、アヤックスとPSVはきっちりと連勝スタート。しかも9ゴール3失点と内訳まで両チームは同じだ。
PSVでは、何と言っても今夏にバルセロナからFWルーク・デ・ヨングがエールディヴィジへ戻ってきた。PSVではすでにセンターフォワードで固定されており、5-2で勝利した2節のゴーアヘッド・イーグルス戦では前半3分に先制点を記録。エールディヴィジ得点王の経歴も持つデ・ヨングはPSVのカギを握る。
さらに今夏は昨季までフェイエノールトでプレイし、昨季エールディヴィジで15ゴールを挙げたオランダ代表の攻撃的MFフース・ティル、パリ・サンジェルマンから注目の19歳MFシャビ・シモンズを獲得。シモンズもパリでは出番を掴めなかったが、ゴーアヘッド・イーグルス戦では2ゴールを記録するなど才能を披露。
クラブの下部組織からは19歳のU-21ベルギー代表FWヨハン・バカヨコも昇格を果たし、早くも先発に固定されている。開幕節のエメン戦では先制ゴールも記録しており、ブレイクの予感が漂う。昨季オランダ2部では17ゴール10アシストを記録するなど、さすがはPSVの育成部門といったところか。
一方のアヤックスはFWセバスティアン・ハラーやDFリサンドロ・マルティネスら主力が抜けたが、前線にはトッテナムからオランダ代表FWステーフェン・ベルフワインを獲得。ベルフワインは6-1で勝利した2節のフローニンヘン戦でハットトリックを達成しており、オランダ代表常連メンバーの実力は本物だ。
他にはFWブライアン・ブロビーを再獲得し、イタリアのACピサからは201cmのサイズでも注目を集める21歳のイタリア人FWロレンツォ・ルッカ、FCポルトからはU-21ポルトガル代表MFフランシスコ・コンセイソンを獲得。
すでにブロビーとベルフワインはチームの中心になっており、PSVに比べると移籍金も費やした派手な補強に動いた印象だ。
両チームとも攻撃陣には大きな変化が起きており、新たなスタートを切ったエールディヴィジの戦いは楽しみだ。アヤックスの時代が続くのか、それともPSVが巻き返すか。ブロビーやバカヨコなど若手タレントの成長も注目だ。