エキティケは“4番手FW”のはずだった 才能見抜いたボスが次に目をつけたのはアーセナルの逸材

世代別代表でもプレイしてきたバログン photo/Getty Images

エキティケの後釜になれるか

昨季フランスのリーグ・アンを沸かせた若手プレイヤーの1人が、スタッド・ランスで10ゴールを挙げた20歳のFWウーゴ・エキティケだった。

その活躍から今夏にパリ・サンジェルマンへ向かうことになったのだが、昨季開幕前の段階ではそこまで有名な存在ではなかった。スタッド・ランスといえば今夏に日本代表FW伊東純也の加入したクラブだが、エキティケの才能を見抜いたのはチームを2021年から指揮するオスカル・ガルシアだ。

ガルシアは現役時代にバルセロナでもプレイし、指揮官としてはワトフォードやザルツブルクで仕事をしてきた。中堅クラブでの仕事から若手の才能を見抜くのに長けているのか、昨夏のプレシーズンでエキティケの可能性に気付いたという。
エキティケはランスのアカデミーで育った選手で、昨夏はデンマークのヴェイレBKへのレンタル移籍から戻ってきたばかりだった。そこでは3ゴールしか挙げられていなかったのだが、ガルシアは1年前のエキティケについてこう語る。

「彼はデンマークでタフなシーズンを過ごして戻ってきた。前の監督が彼をあまり評価していなかったから、レンタルに出ていたんだ。彼は4番手FWとしてチームに戻ってきたが、プレシーズンでNo.1になる可能性を見せてくれた。彼は純粋な9番としてプレイするのを好まず、ポジションを動かすことを好む。背は高くてスリムで、非常に協調性があってテクニックも高い。ヘディングは苦手だから、そこは改善しないとね。ただ、適切なコーチがいれば改善を続けられるよ」(英『The Guardina』より)。

結果的にガルシアの目利きは当たり、エキティケは大ヒット。昨年10月の段階では250万ユーロしかなかった市場価値が、現在では2800万ユーロにまで上昇している。昨季のインパクトがどれだけ凄かったかが分かってくる。

そしてエキティケを失った今夏。ガルシア率いるランスは、後釜としてアーセナルで出番のなかった若きFWフォラリン・バログンに目をつけた。21歳のバログンをレンタルで加えることになったのだが、ガルシアはその理由をこう説明する。

「相手DFの背後のスペースを突き、なおかつゴールを奪える選手を探していたんだ。エキティケが退団し、我々はゴール前に問題を抱えていたからね。チャンスは作れるが、ボールをネットに入れるのに苦労する。だから我々はバログンのような特長を持つ選手を探していたのさ」

バログンの獲得も当たるのだろうか。開幕節のマルセイユ戦は1-4で落としてしまったが、バログンはさっそく途中出場からゴールを決めている。ガルシアの目利きが正しければ、エキティケに続く大ブレイクとなっても不思議はない。

もちろん伊東純也との連携にも注目だが、新生ランス攻撃陣はどう動いていくのか。エキティケに続けとランスの若手選手たちは燃えていることだろう。

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