ボーンマス戦でのヒートマップはSBではなく中盤 ”MFカイル・ウォーカー”に芽生えつつあるパスセンス

今季は中盤付近でプレイすることが多いカイル・ウォーカー photo/Getty images

受け手ではなく出し手として輝く

マンチェスター・シティはプレミアリーグ第2節ホームでボーンマスと対戦。リーグ戦での対戦は2020年の7月以来と約2年ぶりのカードとなったが、王者シティが圧倒的な力の差を見せつけ、4-0と快勝を収めた。ボーンマスは初戦でアストン・ヴィラを下したが、プレミアトップとの差は想像以上に大きいようだ。

そんなシティで存在感を発揮したのがサイドバックのカイル・ウォーカーだ。5月で32歳となった快足サイドバックのウォーカーだが、今季はそのポジショニングが話題となっている。SBの選手だが、ビルドアップ時はアンカーのロドリと近い中央にポジションを取り、ボランチのように振舞って組み立てを支える。データサイト『SofaScore』のヒートマップは完全に中盤の選手のものであり、偽サイドバックをマスターしている。

スピードを武器に相手のエースドリブラーを止めることがウォーカーの得意とするタスクだが、68%とシティが長くボールを支配するゲームであれば、イングランド代表DFのパスセンスが光る。横パス、バックパスだけでなくコースがあれば積極的に縦パスを通す。
イルカイ・ギュンドアンの先制点の場面はまさにウォーカーのパスが起点となった。アンカーの位置から縦パスを通すと、ギュンドアンとアーリング・ハーランドがワンツーを成立させ、最後はギュンドアンが冷静にゴールにシュートを流し込んだ。

英『90min』ではシティ対ボーンマスの採点を行っており、ウォーカーは最終ラインで最も高い8点を記録。「MFのようにプレイし、素晴らしパスを供給した」と称賛されている。

シンプルに守備に特化しただけの選手にとどまらず、パサーとしての才能を開花させつつあるウォーカー。スパーズ時代はサイドを何度もオーバーラップする典型的なSBだったが、シティではよりゲームメイクに加わるようになっており、移籍後最もプレイスタイルを変えた人物はこのウォーカーかもしれない。

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