モウリーニョのチームらしからぬ“守備崩壊” 今季初黒星のローマの修正ポイントは

ヴェローナに敗れ、今季の公式戦初黒星を喫したモウリーニョ監督。ローマに堅守を植え付けることができるか photo/Getty Images

痛恨の逆転負けを喫する

2021-22シーズンのセリエA第4節が19日に行われ、ASローマがエラス・ヴェローナに2-3で敗れた。ローマは今夏に就任したジョゼ・モウリーニョ監督のもとで、今季の公式戦初黒星を喫している。

前半、ローマは相手のミドルシュートや速攻を何度か浴びたものの、[4-2-3-1]の布陣を基調とするハイプレスと、[4-4-2]の守備隊形での自陣撤退を使い分け、試合をコントロール。

際立っていたのが右サイドハーフのニコロ・ザニオーロの守備面での献身性で、基本布陣[3-4-2-1]のヴェローナの最終ラインにボールが渡るやいなや、同選手が左センターバックのフェデリコ・チェッケリーニや、最終ラインに降りてきたボランチのイヴァン・イリッチを監視。ボールがサイドに渡った際には素早くプレスバックするなど、精力的に動いていた。
モウリーニョ監督仕込みのローマのハイプレスが実を結んだのが、MFロレンツォ・ペッレグリーニによる先制ゴールが生まれた36分の場面。

ここでもザニオーロがチェッケリーニを捕捉できていたほか、右サイドバックのリック・カルスドルプも敵陣へ上がり、左ウイングバックのダルコ・ラゾビッチからのパスをカット。ここからローマのサイド攻撃が始まり、カルスドルプのクロスがペッレグリーニのゴールに繋がっている。この場面では、サイドハーフとサイドバックが連動してハイプレスを仕掛けることができていた。

ローマの雲行きが怪しくなったのが後半で、ザニオーロとエルドル・ショムロドフの両サイドハーフの疲弊により、ハイプレスの強度が低下。また、自陣へ撤退した際のブライアン・クリスタンテとジョルダン・ヴェレトゥの2ボランチのポジショニングが曖昧で、これをヴェローナ陣営に突かれた。

アントニン・バラクの同点ゴールが生まれた49分の場面では、ハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)にポジションをとり、センターサークル付近へ下がってボールを受けようとしたヴェローナのMFジャンルカ・カプラーリに、クリスタンテが釣られる形に。クリスタンテがカプラーリに振り切られると、ローマのセンターバックのジャンルカ・マンチーニとカルスドルプの間がぽっかりと空いており、このスペースへの侵入をカプラーリに許してしまった。

トッテナムを率いていた昨シーズン、モウリーニョ監督は4バックでは空きやすいセンターバックとサイドバックの間のスペースに、2ボランチの片割れを降ろすという策を講じていたが、ヴェローナ戦ではこの守備隊形が自軍の選手たちに浸透しておらず。中盤に降りてボールを受けようとしたカプラーリにクリスタンテが付いて行かずに、最初からカルスドルプとマンチーニの間へ降りていれば、同点ゴールを防げたかもしれない。

54分にはローマの2ボランチと最終ラインが間延びし、このスペースへ侵入したカプラーリが逆転ゴールをゲット。2-2のタイスコアで迎えた63分には、クリスタンテが最終ラインへ降りたにも関わらず、ヴェレトゥが左サイド寄りにポジションをとっていたため、ペナルティエリア手前ががら空きに。このスペースでボールを受けたマルコ・ダヴィデ・ファラオーニにミドルシュートを放たれ、ローマは決勝ゴールを奪われている。

就任した先々のクラブで堅守を築いてきたモウリーニョ監督だが、ローマでは守備隊形の整備がまだ完了していない模様。今季の公式戦7試合全てで複数得点と、攻撃力は申し分ないだけに、自陣へ撤退した際の2ボランチのポジショニングを整理し、守備の安定感を高めたいところだ。

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