マンチェスター・ユナイテッドでは今夏にGKアンドレ・オナナが退団し、代わりにアントワープから23歳のGKセンヌ・ラメンスが加入。開幕からリーグ戦6試合はもう一人のGKであるアルタイ・バユンデュルが出場し、その後の6試合はラメンスがゴールを守ってきた。
クラブで新たな守護神争いが展開される中、これをベテランの立場として見てきたのが39歳のトム・ヒートンだ。
ヒートンはマンUのアカデミー出身者だが、プロデビュー後もマンUで出番は掴めなかった。当時はエドウィン・ファン・デル・サールが絶対の存在であり、ヒートンはマンUからスウィンドン・タウン、QPR、ロッチデール、ウィコム・ワンダラーズなどへのレンタル移籍を経て、2010年にカーディフへと完全移籍。この間マンUでの出場は1度もなかった。
その後はバーンリーで2部とプレミアの戦いを長く経験することになったが、2021年に再びマンUへ復帰することに。あれから4年半が経っているが、ヒートンがマンUで出番を得たのは僅か3試合だ。
今季もリーグ戦でベンチに入ったのは3試合のみであり、立場的には3番手GKとなる。最後に公式戦に出場したのは、実に1030日前となる2023年2月のEFL杯準決勝2ndレグのニューカッスル戦だ。
サッカー選手として不満が溜まってもおかしくない状況ではあるが、ヒートンは今の役割を受け入れてきた。英『The Guardian』によると、ヒートンはトップチームでの出番を目指して懸命にトレーニングを続けており、今の気持ちについて次のように語っている。
「試合に出た時の気持ちは消えない。またこのユニフォームで出番を勝ち取るべく頑張っているんだ。だから試合の際にチームメイトとウォーミングアップをして、また着替えてからスタンドで試合を見るのは辛いよ。世間の見方は理解しているけど、それでも35歳でここに戻ってきたのは今の役割を担うためと考えてきた。後悔は全くないし、ここにいられて本当に良かったと思っている」
ヒートンとクラブの契約は今季限りで、来年4月には40歳を迎える。ここからマンUで出番を得ることは無いかもしれないが、それでもヒートンは出場を目指してトレーニングを続けるはずだ。