2年間のリーグ戦稼働率はまさかの“23.7%” 狂ってしまったアザールの歯車

レアル移籍以降、苦悩の時間を過ごすアザール photo/Getty Images

失われた輝きが戻ることはないのか

かつてプレミアリーグで最高級の輝きを放っていた男だが、彼が再びベストフォームに戻ることはないのか。その男とは、近年なかなか本来の姿を見せることができていないベルギー代表FWエデン・アザールだ。チェルシー時代に他を圧倒する輝きを放った快速ドリブラーの復活をいまだに期待している人も少なくないだろうが、その願いが叶うことはないのかもしれない。

2019年夏に満を持してレアルに向かうも、いまだに満足いくパフォーマンスを披露できていないアザール。今や彼のチーム内における存在感は限りなく薄くなっており、現地ではファンの間で“アザール不要論”まで囁かれ始めた。かつてはワールドクラスとの評価を受けていたアタッカーだが、その評価は現時点で大暴落していると言って間違いない。

その評価大暴落の原因は、間違いなく彼の稼働率にある。移籍情報サイト『transfermarkt』によると、レアル移籍以降にアザールが負傷離脱した回数は延べ12回。チェルシーでのラスト2シーズン(2回)と比べて、その数は6倍にも膨れ上がっているのだ。
その影響もあって、2年間でレアルがこなしたリーグ戦76試合のうち、アザールが出場したのは半分にも満たない30試合のみ。加えて、プレイタイムは1618分と、全体の23.7%にとどまる結果となっている。プレイのクオリティどころか、試合にも絡めなくなってしまったアザール。ここから評価を再浮上させるのは至難の業と言えるだろう。

「足首を3回も負傷したから、再び同じレベルでプレイできるかは怪しいね。10年前と同じようにはいかないと思う。コンディションが整えばピッチ上で自分の力を証明できるとわかっているけれど、問題は怪我だ。あまりに多くの負傷を経験することになったからね……」(英『Daily Mirror』より)

現在参加しているEURO2020のグループステージ最終節に向けた会見にて、アザール自身もこのように発言している。レアル移籍以降にあまりにも多くの怪我を経験したことで、本人もかつての姿を取り戻すことはほぼ不可能と考えているようだ。

チェルシー時代に大きな衝撃を残したアタッカーだけに復活を期待したいところだが、現時点でそれが実現する可能性は限りなく低いか。怪我で狂った歯車をどこかで修正したいアザール。諦めずに逆襲への道筋を見出してほしいところだが、はたして。

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