“巨人FW”が支配する時代へ EUROで暴れる190cm超えの怪物たち

強引にボールをキープするムーア photo/Getty Images

高さとパワーは1つのトレンド

今後は巨人たちがサッカー界を支配するのだろうか。今回のEURO2020で目立つのが、190cmを楽に超える大型ストライカーの活躍だ。

近年は偽9番など様々な攻撃スタイルが確立されてきたが、今大会に限れば大型ストライカーが主役だ。代表的なのは191cmのベルギー代表FWロメル・ルカクで、グループステージから圧巻のパフォーマンスを披露している。パワーだけでなく、スピードまで持ち合わせているところがルカクの凄みだ。今後はルカクのような機動力溢れる大型ストライカーが1つのトレンドになっていくだろう。

他にはグループステージ初戦のスイス戦で得点を決めたウェールズ代表FWキーファー・ムーア(196cm)、グループステージ初戦の北マケドニア戦で得点を決めたオランダ代表FWボウト・ベグホルスト(197cm)、前線で圧倒的な強さを見せるロシア代表FWアルテム・ジューバ(197cm)、シュツットガルトで遠藤航とチームメイトであるオーストリア代表FWサーシャ・カライジッチ(200cm)。
高さとスピードの両方を見せたスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサク(190cm)、死の組に挑むハンガリー代表希望の星であるFWサライ・アダーム(193cm)、すでに2点を挙げているウクライナ代表FWロマン・ヤレムチュク(191cm)、ベルギーに必死に食らいついたデンマーク代表にもFWユスフ・ポウルセン(193cm)、アンドレアス・コルネリウス(195cm)とサイズのあるストライカーが揃っていた。

オランダの前線にもベグホルストが君臨 photo/Getty Images

センターバックたちはどうする

また190cmには届かないが、グループステージで3得点を挙げたチェコ代表FWパトリック・シック(187cm)、スイス代表FWハリス・セフェロビッチ(187cm)、驚異的なフィジカルの強さを見せるスコットランド代表FWリンドン・ダイクス(188cm)など、もはや185cmオーバーは当たり前の世界になってきている。

サイズのある選手が前線に構えていれば、単純なクリアボールでも強引にマイボールへすることも可能になってくる。格下が格上と対戦する場合、こうした大型FWは貴重な存在となる。今後はどのチームも1枚は190cm近いFWを揃えてくる時代になるだろう。

対応するセンターバックは頭を悩ませることになるはずで、1対1で彼らを抑え込むのは極めて難しい。日本代表では吉田麻也や冨安健洋がセンターバックを務めているが、ワールドカップでは190cmオーバーのストライカーたちと戦う機会が必ずくる。チームとして大型ストライカーにどう対応していくのか。しばらくは大型ストライカー人気が続きそうだ。

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