オランダを悩ませる前線のチョイス EUROでデパイの相方は誰にする

オランダ代表の前線で定位置を争うベグホルスト(左)とマレン(右) photo/Getty Images

当初はベグホルスト有力とされていたが

何名かの主力が怪我や新型コロナウイルスの影響で不参加となったものの、今月開幕するEURO2020に向けてはまずまずのメンバーを揃えてきたオランダ代表。特にマタイス・デ・リフト(ユヴェントス)とステファン・デ・フライ(インテル)が軸となるであろう最終ラインや、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)やジョルジニオ・ワイナルドゥム(リヴァプール)といった実力者が揃う中盤には安心感がある。一本の軸が通ったスカッドを擁するオレンジ軍団。現時点での下馬評こそ低いかもしれないが、楽しみな存在であることは間違いない。

しかし、そんなオランダ代表には、現在少しだけ懸念点がある。最終ラインや中盤に安心感がある一方で、前線は誰が軸となるのか不透明な状況となっているのだ。議論が渦巻いているのは、[3-5-2]でメンフィス・デパイの相方となるストライカー。これまでは今季ブンデスリーガで20得点を挙げたボウト・ベグホルスト(ヴォルフスブルク)が定位置を掴むとされていたものの、ここにきて国内ではドニエル・マレン(PSV)の方が適任なのではという見方も出てきている。

その大きな理由の一つが、チームのスタイルだ。たしかに、ベグホルストの高さとポストプレイは魅力的。守備的なヴォルフスブルクで得点を量産したことからも窺い知ることができるように、少ないチャンスをモノにする能力も申し分ない。しかし、オランダ代表の攻撃は足元でボールを繋ぎながらゴールを目指すスタイルがメイン。ゆえに、最前線にはスピードや裏抜けの技術に優れたストライカーが必要との声もいまだに根強い。前線にエアバトルが得意な選手を一人配置しておきたい気持ちも理解できるが、スピードを活かした突破が得意なマレンの方がフィットするのではという意見が各方面で散見されるのだ。
「デパイとベグホルストが良い補完関係にあるとは思えない。スタイルでいえば上手くハマりそうだが、どこかぎこちないのは事実。ベグホルストを先発で使うなら、マレンの方をおすすめしたい。もしくはルーク・デ・ヨングだ」(蘭『Algemeen Dagblad』)

「ベグホルストはジョージア戦でゴールを決めたが、マレンの方が前線で多くのものを提供できるだろう」(蘭『De Telegraaf』)

ベグホルストもマレンも確かな実力者であることは間違いない。それだけにこれは非常に難しい問題となってくるが、フランク・デ・ブール監督はEUROで一体誰にデパイの相方を任せることとなるのだろうか。グループステージ第1節のウクライナ戦で指揮官がどのようなチョイスをしてくるのかには、大きな注目が集まりそうだ。

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