はたして、武者修行先でひと回り頼もしくなった若き守備者は、来季チェルシーに戻って存在感を発揮できるのか。弱冠20歳の守備者は、良い意味でトーマス・トゥヘル監督の頭を悩ませる存在となりそうだ。
その守備者とは、今季シェフィールド・ユナイテッドにレンタル移籍していたウェールズ代表DFイーサン・アンパドゥ(20)だ。今季は武者修行先で公式戦29試合に出場し、守備陣の中心として奮闘を見せた同選手。チームは残念ながら降格してしまったものの、個人としてのパフォーマンスは悪くなかったと言っていい。
そんなアンパドゥの優秀さはそのスタッツからも見て取れる。データサイト『SofaScore』によると、今季の同選手はタックル数(57回)やインターセプト数(49回)で印象的な数字をマーク。いずれもチーム上位にランクインしており、地上戦勝率(62.5%)と空中戦勝率(64.2%)も実にハイレベルだ。特に地上戦勝利は今季プレミアで25試合以上に出場したDFのなかで、トップ10入りを果たす好成績となっている。チームの成績が悪かったなか、ここまでの数字を残したのは立派と言えるだろう。
この成績を見る限り、アンパドゥはチェルシーに戻っても一定の戦力にはなるはずだ。特に、同じプレミアで経験を積むことができた点は大きい。世界各国リーグのなかでも、特にプレイスピードが速く、強度も高いと言われるプレミア。純粋な能力だけでは即戦力となれるかわからないリーグだけに、今季シェフィールド・ユナイテッドで得た経験はアンパドゥにとってプラスに作用することとなるだろう。
「チェルシーはアンパドゥを来季スカッドに加えるべき。ライプツィヒやシェフィールドへのレンタルを経て、この20歳のDFはブルーズで戦う準備が整った。今季の所属チームは降格してしまったが、アンパドゥのパフォーマンスは悪くなかった」
英『Telegraph』も、チェルシーにはこのようにアンパドゥのレンタルバックを勧めている。まだ20歳だが、トップクラブで戦う準備が整った印象も強い同選手。はたして、ブルーズの若き守備者は来季スタンフォード・ブリッジで輝きを放つこととなるのか。チェルシーには一度試してみてほしいところだが。