[MIXゾーン]湘南の曺監督、東京五輪世代の杉岡&齊藤を名指しで愛のムチ 

選手へ直接指示を出す曺貴裁監督 photo/Getty Images

このままじゃ「とても世界では戦っていけない」

湘南ベルマーレは19日、明治安田生命J1リーグ第8節で川崎フロンターレとアウェイで対戦した。立ち上がりから果敢にプレッシャーをかけ、素晴らしい入りを見せた湘南だが、21分、37分と立て続けに失点。その後、ゴールを奪い返すことができずに0-2で敗戦を喫し、リーグ戦でここ3試合勝利なしとなっている。

試合後、記者会見へ出席した湘南の曺貴裁監督は「金曜の夜の試合は今年は初めてでしたけど、このスタジアムはフロンターレさんのサポーターと選手が一体になっている雰囲気を感じました。湘南からもたくさんのサポーターが来て最後の最後まで応援してくれましたが、勝点を持ち帰れずに非常に残念な気持ちです。同じ神奈川でありながらリーグ戦を連覇して、いろんな意味でリーグの中心にいる川崎さんに対して、ここから夏に向けて、もしくはそれを通過したあとに自分たちがどうなればいいかを含めて、戦い方を彼らに指示したが、結果的に前半に2点を取られて苦しい展開になりました」と振り返った。

そして「ボールを相手に渡して、守る時間を長くして、少ないチャンスをモノにするという戦い方だけだと、やはりこのリーグでやれることは限界がある。選手も勇敢に戦ったと思いますし、自分たちがボールを持ったときに複数の選手が絡んでゴールに向かうプレイは実際に何回かできたと思います。ただ、質に関してはまだまだ『?』がつくところもある。彼らは守から攻のときに、『このパスが通っていればゴールまでいける』というパスを相手に渡してしまってゴールまで行けないというケースがまだ見られる」とも話している。
さらに曺貴裁監督は、東京五輪での活躍が期待されるU-22日本代表に選ばれているMF杉岡大暉やMF齊藤未月には大きな期待を寄せているのだろう。名指しで「杉岡は、オリンピックとか色々騒がれていますけど、あれだけボールを相手に渡しているようでは、とても世界では戦っていけないと思います。本人にもそう伝えました。これは自分の責任放棄で言っているわけではないが、僕たち指導者、一緒にやっている仲間、もしくは皆さんマスコミの方も、そういう選手たちのどこが良くてどこが悪いのかをちゃんと認識して彼らに伝えていかなければならない。良いプレイと悪いプレイを整理して、1カ月ではなく1日で整理して次へ伸ばすように持っていかないといけない。世界のサッカーはどんどん進化していますし、CL(チャンピオンズリーグ)やEL(ヨーロッパリーグ)を見ていると、10代や20代前半でも見違えるように良くなっている選手がたくさんいます。そういう相手とこれから日本代表、オリンピック、U-20代表も、齊藤未月もそうですがあの2人は我々のチームの次の世代を担っていくべき選手ですし、ボールを取られても追いかけない、走らないといったプレイと同じくらい(ボールを相手に渡すことが)許せないというプレイにならないと、彼らは次のステージに行けないと思います」と愛のムチを飛ばした。

また、杉岡もインタビューの際に「(曺貴裁監督から)その件については伝えられました。やっぱりオリンピック世代とか言われて、チヤホヤされているといったらそうですけど、その中で曺は本当の自分たちを見てくれている。そういう意味では本当にありがたいです。そういうところと向き合えていなかったのも事実かもしれないですし、そういうことを言われて気づけたかなと思います」とコメントしており、指揮官の愛のムチを真摯に受け止めている。杉岡や齊藤はまだ20歳と若い。周りから厳しい意見などもあるかもしれないが、これらの困難を乗り越え、さらなる成長を遂げてもらいたいところだ。

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